公開日:2024年12月9日

越後妻有でクワクボリョウタ作品が破壊された問題、賠償金674万円で和解へ。保護者や学校ではなく市が全額負担

2022年4月に修学旅行中の新潟市の中学生によって作品が壊された問題。故意であることは立証されなかった

クワクボリョウタ LOST #6 Photo by Nakamura Osamu

2022年4月に新潟県十日町市にある越後妻有里山現代美術館MonETを訪れた修学旅行中の中学生によって、クワクボリョウタらの作品が壊された問題で、新潟市は12月市議会で、十日町市に674万円の損害賠償金を支払うことで和解する議案を提出した。

新潟市の中学生2名によってクワクボの《LOST #6》とカールステン・ニコライの《Wellenwanne LFO》が破損された問題。

十日町市は損壊の事実と経緯を明らかにし公正に調べる必要があると判断し、被害届を提出していた。この問題を巡り、十日町市は新潟市に損害賠償を請求。壊れた美術作品の算定額などで新潟市と十日町市とのあいだで協議が続いていた。

そして新潟市は12月市議会で、十日町市に損害賠償金として674万円を支払うことで和解する議案を提出するという。損害賠償金には保険を適用する。

新潟市によると、学校が行った聞き取り調査などで、生徒たちから「柵に当たって動いてしまった」との言葉があり、警察も「故意であることは立証できない」として立件を見送っていたことも明らかになった。

加害者が特定されず、修学旅行という教育活動中の出来事だったことも考慮し、新潟市は市で賠償金を全額支払い、保護者などには賠償を求めないという。

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