好きな自治体に寄付をするとお礼の品を受け取ることができ、寄付したお金は本来支払う税金から控除される「ふるさと納税」制度。各地域の特色を生かした返礼品や「お得感」から年々様々な持ち上がりを見せていますが、じつはアート関連の返礼品も結構あります。ここではそのなかから厳選した取り組み+返礼品をご紹介します。
2024年、話題をさらったのがアーティストの村上隆さん。京都市京セラ美術館 で開催された「村上隆 もののけ 京都」の資金調達をふるさと納税制度を活用して行ったとして、大きな注目を集めました。(詳しくはこちら)
そんな村上さんが代表を務めるカイカイキキが、12月4日に独自のふるさと納税プラットフォーム「カイカイキキふるさと納税」のサービス開始したと発表。
公式サイトを見れば、京都市のふるさと納税返礼品となっている村上隆さんのアートグッズがずらり。サイト内から申し込みが可能です。
なかでも注目は「五山送り火」をテーマにしたソフビフィギュア、村上隆 もののけ京都 「五山送り火」PVCフィギュア「大文字さま」。寄付金額は26万円と高額ですが、アートピースを購入する気持ちで寄付する人が多いのではないかと予想します。
ほかにも舞妓さんクッキーやトレーディングカードなども返礼品になっています。
四季折々の変化が美しい、緑豊かな砧公園の一角に位置する世田谷美術館。ふるさと納税を使えば、この美術館を夜間に貸切して特別な体験ができます。110万円以上の寄附で1~100名まで、200万円以上の寄附で1~200名まで、300万円以上の寄附で1~300名まで利用可能。
コロナ禍においては「作品のない展示室」というユニークな取り組みを行い、建築家・内井昭蔵が手がけた美術館を空っぽの状態で一般公開した同館。今回の貸切は、そんな魅力的な唯一無二の空間を思う存分味わえるチャンスだ。12月13日と3月14日開催分と限りがあるので、興味がある人はお早めに。
まだ同館の鑑賞券や食事券なども返礼品になっています。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館も魅力的な返礼品を多数出しています。注目は「いのくまさんの複製画」(寄付金額:14万7000円)。猪熊弦一郎の作品の原画をスキャンし、超微小インクドットにより画像を再現するピエゾグラフという手法で印刷。技術者が1枚1枚の色や質感を原画と比較、調整して仕上げているため、原画にかなり近い色合いとなっています。複数の作品があるので、お気に入りを探してみては。
また、「いのくまさんのとり時計」「バッグ」「ステーショナリーセット」などもかわいいです。
アートファンの憧れ、ベネッセハウスにふるさと納税を使って宿泊してみるのはいかが? ベネッセハウスは「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、1992年に美術館とホテルが一体となった施設「ミュージアム」を開館。安藤忠雄設計のベネッセハウス「パーク」では、瀬戸内の豊かな自然の中で、現代アートを堪能できる。2022年には館内に「杉本博司ギャラリー 時の回廊」がオープン。2025年には「瀬戸内国際芸術祭2025」が開催されるので、いまから旅の計画を立てるのもいいかもしれません。1泊ペア宿泊券の寄付金額は20万円。
美術館の年間パスポートやメンバーシップを返礼品としてい自治体もいくつかあります。地元の美術館やお気に入りの美術館を応援する意味でも、ふるさと納税をきっかけに年間パスポートをゲットしてみては?
愛知県の豊田市美術館(寄付金額:1万4千円)、東京都の府中市美術館(寄付金額:1万円)、すみだ北斎美術館(パスポート1枚&オリジナル商品、寄付金額:2万3000円)など。
ほかにも展覧会チケットや鑑賞券などを出している美術館があるので、気になる美術館名と「ふるさと納税」で調べてみると面白いかもしれません。
福島夏子(編集部)
福島夏子(編集部)