公開日:2025年4月11日

未来学者が残した、世界とつながる装置。編集部のお気に入りアクセサリーを紹介します

TABのスタッフが気の向くままに更新する日記。今回はタウス・マハチェヴァによるちょっと風変わりで哲学的な作品を紹介

展覧会で見かけたグッズ、かわいくて思わず手に取ってしまうこと、ありますよね。今回は「グッズ」という言葉では少し語りきれない、印象に残った作品を1年越しに購入したというエピソードを紹介します。

タウス・マハチェヴァは、ダゲスタン共和国にルーツを持つ、ロシア出身のアーティストです。日本では「ヨコハマトリエンナーレ2020」や、豊田市美術館で開催された「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(2024)に参加したことがあります。筆者も本展をきっかけに、タウスさんのインタビュー翻訳を担当しました。

そのときに出会った作品が、《セレンディピティの採》(2020)です。これは1971年にロシアのソチで開催されたという架空の未来科学者の会議で提案されたアイデアをもとに、タウスさんが創り上げた作品。個々のパーツは異なる機能を持ち、身につけることで他者や環境との新たな関係を築けるというコンセプトが込められています。

© Taus Makhacheva Photo: Frans Masereel Centrum Taus Makhacheva Mining serendipity 2020 (edition)

Frans Masereel Centrumの公式サイトで購入できることを知って、迷わず夫にクリスマスプレゼントとしておねだりしてみました。そして、見事に成功し、ついに本物が手に入りました。驚くべきことに、箱には「30」の文字が! じつは、リミテッドエディションで、夫が購入したものが最後の箱でした。まさに運命的な出会いです。もちろん、箱に入っているままでもアート作品として楽しめますが、筆者は遠慮せずにアクセサリーとして愛用しています。

みなさんも、アート作品に心奪われる経験はありますか?

ハイスありな(編集部)

ハイスありな(編集部)

「Tokyo Art Beat」編集部。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。研究分野はアートベース・リサーチ、パフォーマティブ社会学、映像社会学。