2024年、Tokyo Art Beatは設立20周年を迎えます。この記念すべき年と、これまで/これからのアートシーンを祝福すべく、ユーザーの皆さんから「ベスト展覧会」を募るアワード企画とオンラインイベント、そして特集記事が進行中。
シリーズ「20年間のベスト展覧会」では、アートやカルチャーシーンで活躍する方々にTABがスタートした2004年から24年6月までに開幕した展覧会のなかで、記憶に残るものを1〜3点教えてもらいます。極私的な思い出から、現在の仕事につながる経験まで……展覧会にまつわるエピソードとともにお届けします。【Tokyo Art Beat】
19世紀フランスでモダニズムの端緒を開いたとされるエドゥアール・マネが、日本でいかに受容されてきたかを検証。そうした歴史を踏まえたうえで最後に披露される福田美蘭の新作が圧巻。練馬区立美術館はこのほかにも「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」「生誕100年 朝倉摂展」「式場隆三郎 腦室反射鏡」など、わくわくする企画で楽しませてくれました。
1990年代に出会って「このひと日本に生まれてたらコミケに、いやJ.Garden(創作JUNE、BL作品中心の同人誌即売会)に参加してただろうなあ! 」と思った画家。オタク文化としていわゆる「男性向け」の美少女表象ばかりがプレゼンされがちななかで、女性の「そういう感性」もアートの領域でしっかり育まれ、花開いていることが嬉しかったです。閉館してしまった御殿山の原美術館の思い出とともに。
20世紀に築かれた白人男性中心の美術史を見直す試みがさらに勢いづいた20年。19世紀後半から20世紀前半のフィンランドで活動したシャルフベックも、そうした流れで国際的に認知されるようになったのだと思います。抑えた色調に絶妙な省略と抽象化、最近の作品だと言われても信じてしまいそう。こんな画家がいたのか! という驚きがありました。
*野中モモさんが執筆した、ヘレン・シャルフベックの伝記映画のレビューはこちら
これからもアートに夢をみたい私(たち)のよい案内役となる記事を期待しています。
*「Tokyo Art Beat」20周年を記念するアワード企画と特集を実施! ユーザーみんなで20年間の「ベスト展覧会」を選ぼう。
詳細は以下をご覧ください。読者の皆さんの推薦(終了)・投票(7月半ば開始)をお待ちしています!
野中モモ
野中モモ