10月29日から10月31日の3日間、東京・外神田にあるアートセンター「3331 Arts Chiyoda」が主催するアートフェア「3331 ART FAIR」が開催中だ。
2011年より毎年開催され10回目を迎えた今回は、会場構成を一新。「見本市」や「作品の売買」の場所にとどめず、特別企画として若手工芸作家の新作やNFTアートの展示・販売も行われる。
各会場での展示の様子を中心に紹介していこう。
ギャラリーの出展エリアはこれまで体育館エリアが中心だったが、今年からはこの1階メインギャラリーのホワイトキューブが中心に。
√K ContemporaryやSNOW Contemporaryをはじめとする東京のギャラリーはもちろん、大阪のDMOARTS、埼玉のタマプロ、新潟の羊画廊など、地域に限定しない全国26のギャラリーがブース出展している。個展やグループ展、展示方法も様々なブースが隣接し合う空間で、好みの作品やギャラリーが見つかるはずだ。
体育館、屋上、パブリックエリアでは、今井朋、田中みゆき、山本浩貴といった学芸員やギャラリスト、キュレーターらが推薦したアーティスト計60名が出品。もっとも広い2階体育館エリアでは、50名の作家の作品を見ることができる。さらに、愛知県立芸術大学や美学校など、6校の大学など団体も出展している。普段であれば、現地でのみ見ることのできる大学の展示を見れるのは、3331の大きな魅力のひとつだ。
普段は一般向けには閉鎖されている屋上も、展示のために解放。FL田SHディレクターの吉田山がキュレーションを務め、展示空間は建築家コレクティブGROUPが担当。藤倉麻子や光岡幸一らによる立体作品が展示されるほか、シンガーソングライターのさらさが新曲を出品していることにも注目だ。
地下1階では工芸における新人作家発掘を謳う「ファースト・パトロネージュ・プログラム」が特別展示を同時開催。気軽に購入し、食器として使いたくなるような作品から、オブジェのように巨大な陶芸作品までが揃い、普段目にする機会の少ない若手の工芸作品を見る絶好の機会となる。
1階メインギャラリーの奥では、NFTとアートのこれからを考える「符号理論/Coding Theory」の展示・販売も開催されており、メディア・アートの先駆者である藤幡正樹や中ザワヒデキも作品を発表。会期中にはNFTについて深く知ることのできるオンライントークイベントも行われる。イメージや実感を持ちづらいNFTを知るきっかけになるはずだ。
アートフェアというと、どこか敷居が高く感じるもの。しかし、元々は公立学校であった3331の空間だからこそ、文化祭にきたような親しみをもって楽しむことができるだろう。
また会期終了後期間限定で、ArtStickerアプリによるオンラインでの作品販売も行われる。興味がありつつも、足を運べなかった人はぜひ作品をそこでチェックしよう。