「蓬莱図をよむ -描かれた理想郷-」

もりおか歴史文化館
12月1日開始
蓬莱は、古代中国において渤海の東にあると考えられた仙境である。そこには不老不死の仙人たちが暮らしているが、人が近づこうとすると船が波に戻され、近づくことができないのだという。秦の始皇帝の命を受けた徐福が不老不死の仙薬を求めて旅立った目的地として、あるいは『竹取物語』でかぐや姫が求婚者の1人に求めた「蓬莱の玉の枝」の原産地としても知られる。蓬莱は、不老不死の仙人の住まう永遠の繁栄の象徴であり、人の身では辿り着くことの出来ない神秘的な理想郷でもあるのだ。

日本では、各地に蓬莱伝説・徐福伝説が残されている。それは、蓬莱があるという中国の東の海に浮かぶ島国としては当然の成り行きと言えるだろう。しかしもちろん、仙人も仙薬も玉の枝も、あくまでも伝説に過ぎない。それでも、富士山や熱田、熊野周辺などに同地を蓬莱と結びつけるような伝説が現在まで伝わっていることは、蓬莱という理想郷がいかに強く人々の心をひきつけ、憧れを集めたかを証明するものではある。その結果蓬莱は日本においても、吉祥の象徴として絶大な人気を集め、絵画や工芸装飾に頻繁に登場するようになった。

当館収蔵の狩野林泉筆《蓬莱図屏風》もそのような美術品のうちの1点であると考えられる。本展は、《蓬莱図屏風》を入口として伝説の理想郷・蓬莱の姿をよみ解く試みである。和漢の歴史書や物語、辞書に記された蓬莱と、数多の絵画や工芸品に描かれた蓬莱は、果たしてどのような姿をしているのだろうか。

スケジュール

2024年12月1日(日)〜2025年2月17日(月)

開館情報

時間
9:0018:00
休館日
毎月第3火曜日は休館(祝日の場合は開館)
年末年始休館(12月31日〜1月1日)
入場料一般 300円、高校生 200円、中学生・小学生 100円、障害者手帳提示と付き添い1名・盛岡市在住の65歳以上 無料
展覧会URLhttps://www.morireki.jp/plan/5320/
会場もりおか歴史文化館
https://www.morireki.jp/
住所〒020-0023 岩手県盛岡市内丸1-50
アクセスJR盛岡駅東口より徒歩20分、JR盛岡駅東口より盛岡都心循環バス(左回り)「県庁市役所前」下車徒歩4分、JR盛岡駅東口より岩手県北バス(「盛岡バスセンター」行き)「県庁・市役所前」下車徒歩4分
電話番号019-681-2100

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