青野文昭 「それぞれの惑星とその住人達」

LOKO GALLERY
9月27日開始

アーティスト

青野文昭
LOKO GALLERY では2022年の青野文昭個展「谷間に生えだすーとあるタテモノのおもかげ」につづき「それぞれの惑星とその住人達」を開催します。

青野は1991年に発表した「修復について」、のちに「修復論」(1996年)とした論考をもとに「なおす」といういとなみに着目して、路上などで拾い集めた過去や記憶を伴った拾得物の欠片に精緻な修復を施した作品をはじめとして、フィールドワークにもとづく大規模な作品を発表し続けています。「つくる」「こわす」「なおす」という一連の人間の根源的な行いはそれぞれを単純に分けることができるわけではなく、「修復論」の末尾では『「なおすこと」は、カオス‒再生のメタファーであり、・・・・・・「つくる」いとなみからは見えてこない「なおす」といういとなみが内在する固有の生の全体性を具現した「創造性」ではないだろうか。』と論じています。

青野の領域に集まってきたものたちの背景となっている人、家、社会、環境などは「なおす」いとなみにとっては雑音であり邪魔なこととして、自分の内だけで完結させるというのが当初の制作態度でした。しかし、それら欠片の背景を考慮しないと本来の修復にはならないということに思い至ると同時にそれら欠片を連結されていくことにより歴史と繋がり、作品としての迫力が出現してきました。
特に震災後には、集まってきた大量で多様な欠片たちの修復により、「なおす」といういとなみを根源まで深めることとなり、そこには「情の世界」が表出してきたと言います。

近年の大型展示の一つである“せんだいメディアテーク”で行われた「青野文昭 ものの , ねむり , 越路山 , こえ」後に一連の制作活動を称して「総合的復元」としています。
本展では「総合的復元」のいとなみの素材の主役とも言える「箪笥」にあらためて着目しています。素材として使われる中古箪笥は所在を失い、重厚であるはずのものが浮遊感をただよわせ、まるで宇宙を彷徨う惑星の様相を現しています。
これはあたかも現在の世界の乱れた秩序を惑星的視点を持って捉え直そうとしているようでもあります。

なお、9月28日(土)午後3時より東京都美術館学芸員 大内曜氏をお招きしトークイベントを予定しております。「修復論」をお手元に青野文昭の世界を読み解きますので、是非ご参加ください。

[関連イベント]
トークイベント及びレセプションパーティー
日時: 9月28日(土)15:00〜18:00
ゲスト: 大内曜氏(東京都美術館学芸員)
参加費: 500円(小冊子「修復論」付)

スケジュール

2024年9月27日(金)〜2024年10月26日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
日曜日、月曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://lokogallery.com/archives/exhibitions/each_planet_and_their_inhabitants
会場LOKO GALLERY
http://lokogallery.com/
住所〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町12-6
アクセス東急東横線代官山駅北口より徒歩7分、JR渋谷駅南口より徒歩10分
電話番号03-6455-1376
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません