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Frieda Toranzo Jaeger “Against Meaninglessness”, 2024 Oil on canvas, hand embroidery 110 x 200 cm © Frieda Toranzo Jaeger Photo: Ramiro Chaves

フリーダ・トランゾ・イエーガー 「Against Meaninglessness」

タカ・イシイギャラリー前橋
終了しました

アーティスト

フリーダ・トランゾ・イエーガー
タカ・イシイギャラリー 前橋は、フリーダ・トランゾ・イエーガーによる個展「Against Meaninglessness (アゲインスト・ミーニングレスネス:無意味への反抗)」を開催いたします。本展は当ギャラリーにおけるトランゾ・イエーガー初の個展となります。脱植民地的な思考、クィアの自由、自然との結びつきといったテーマや、彫刻的で複数のパネルを繋ぎ合わせたキャンバスと刺繍という特徴的な表現形式を継続的に取り入れつつ、社会政治的危機や暴力的過激主義など、現在の社会情勢から生じる問題にも言及します。

トランゾ・イエーガーは本展の枠組みを構築するにあたり、日本の哲学者である西谷啓治の著作、特に彼のニヒリズム(虚無主義)に関する研究を分析することから始めたと述べています。彼女の主な関心は、西洋、さらには世界中でのファシズム、ポピュリズム、戦争やジェノサイドの台頭にあり、これらの問題の原因は現在若者が目の当たりにするような主体性の欠如にあると考えています。自分の行動では何の変化も起こせないという感覚は無力感を生み、それがニヒリズムにつながり、最終的にファシズムへの扉を開くためです。西洋哲学ではニヒリズムはニヒリズム自体によって克服できるとされていますが、トランゾ・イエーガーはこの点に議論の余地があると考え、今回の作品群ではニヒリズムと禅宗を統合するという西谷の提案に焦点を当てています。ニヒリズムにおいて問題となるのは自己であり、その自己の無意味さゆえにすべてが無意味とされます。一方、仏教はこの無意味性あるいは「空」こそが万物の生じる基礎であると説き、空がなければ何も生じることはありません。無が意味の源であるという考えは、現代において非常に美しい提案であると作家は述べます。なぜなら、空白のキャンバスがどんな絵画にもなり得るように私たちの存在も無から始まるといえるからです。

本展覧会は、「庭園」「宇宙」「ハート」「車」の4つの主題で構成されています。「庭園」は無から生まれる未来と、来るべき混沌の中で私たちが喜びや充実感を見出す場所として描かれます。「宇宙」では作家は「より未来的な未来をどこに託すのか?」と問いかけます。宇宙の彼方では、終末を待ち望む技術者たちはすでにこの惑星を見限り社会を再構築しようとしていますが、彼らはどのような社会を想像しているのでしょうか?そして、なぜ私たちは自分たちの考えを構築する前に、彼らの考えに従わなければならないなのでしょうか?「ハート」はシンボルそのものを解読するための彼女の象徴的な作品です。欲望と愛が一体となった不可分の存在であるとされている中、作家は私たちが欲望をどのように増幅させ、なぜニーズと欲望を切り離すことができないか、批判的に問う必要があると主張します。どれだけ対象を愛し、オンラインで「ハート」を送り、消費行動をしても、内なる虚は広がり続ける一方です。また「車」は作家の長年にわたる制作の延長にあり、ジェンダーやアイデンティティといった存在論的な権力構造が表れる、後期資本主義の心理的空間を表しています。

トランゾ・イエーガーは、西洋美術の伝統的なセミオロジー(記号学)に挑戦しながら、私たちの未来創造に向けて新たな地平を切り開き、現代社会の問題克服を促します。

スケジュール

2024年9月27日(金)〜2024年11月10日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、祝日

オープニングパーティー 2024年9月27日(金) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.takaishiigallery.com/jp/archives/32912/
会場タカ・イシイギャラリー前橋
https://www.takaishiigallery.com/jp/
住所〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-9-1 まえばしガレリア 1F
アクセス上毛電鉄中央前橋駅より徒歩5分、JR両毛線前橋駅北口より徒歩15分
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