「西洋版画を視る ―リトグラフ:石版からひろがるイメージ」

国立西洋美術館
9月1日終了
「西洋版画を視る」シリーズでは、これまで西洋版画のおもな技法に焦点を当て、その制作方法や特有の表現を紹介してきました。3回目となる本展では、「リトグラフ(石版画)」を取り上げます。

リトグラフの「リト(litho)」は、ギリシャ語で「石」を意味するlithosが語源となっています。1798年頃にドイツの劇作家アロイス・ゼネフェルダーによって発明されたこの技法は、当初から版材として石灰石が使われていたため、この名称が一般的になりました。リトグラフで重要となるのは、水と油が互いに反発しあう性質を利用する点です。木版画、エングレーヴィング、エッチングなどの技法では、彫ったり削ったり、酸で腐蝕させたりして版に凹凸をつけますが、リトグラフは、石の上に図柄を描き、化学処理を施すことで、平らな版から印刷できることが大きな特徴です。この新たな方法は、19世紀のヨーロッパにおいて、楽譜や地図、出版物など実用的な印刷や複製技術として活用される一方、自由な描画が可能なことから、多くの画家たちが試みるようになり、芸術的な版画の技法としてフランスを中心にまたたく間に広まります。

本展では、発祥の地ドイツから各国への伝播を伝える初期の作例や、リトグラフの大衆化に寄与したドーミエのカリカチュア、マネやルドンらによる様々な試み、そして世紀末に隆盛を極めた多色刷りのポスターにいたるまで、19世紀におけるリトグラフの歴史と表現の展開を、およそ40点の作品を通して見ていきます。あわせて、リトグラフの制作工程の一例を示し、この技法の原理を紹介するコーナーを設けます。リトグラフならではの描写に注目しながらその歴史を辿り、各作品をじっくりと「視る」ことで、その多様で豊かな表現をお楽しみいただけたら幸いです。

スケジュール

開催中

2024年6月11日(火)〜2024年9月1日(日)あと63日

開館情報

時間
9:3017:30
金曜日・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日
7月15日、8月12日、8月13日は開館
7月16日は休館
入場料一般 500円、大学生 250円、高校生以下及び18歳未満・65歳以上・障害者手帳提示と付き添い1名 無料
展覧会URLhttps://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024etching.html
会場国立西洋美術館
https://www.nmwa.go.jp/
住所〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
アクセスJR上野駅公園口より徒歩1分、京成線京成上野駅正面口より徒歩7分
電話番号050-5541-8600 (ハローダイヤル)
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