ヒグチユウコ 「ふたりのねこ」23 ページ原画 2014 © Yuko Higuchi
空想と現実を行き交う自由な発想とタッチで、作品制作のみならず絵本の刊行など幅広く活躍する画家・ヒグチユウコ。初の大規模個展として2019年から全国巡回した約500点の作品に、新たに加えた総数約1500点が並ぶ展覧会「ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END」が森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催中だ。会期は2023年2月3日から4月10日まで。
サーカスを主題とする今展では、ヒグチの全仕事を総覧できる。
デビュー作『ふたりのねこ』(2014年、祥伝社)や『ギュスターヴくん』(2016年、白泉社)、『ほんやのねこ』(2018年、白泉社)など、これまで発刊された絵本の原画が集結。また、ヒグチが精力的に制作を重ねてきた原画で彩られた「サーカス」の空間も展示室内に作られている。
可愛くもどこか不穏で怖いのもヒグチの世界の魅力。作家流のホラー作品を展示するコーナーでは、女の子、かたつむり、ハサミ、瞳など様々なモチーフを駆使して、怖い表現を追求するヒグチユウコの真骨頂を垣間見ることができる。
また、これまで巡回してきた全9会場ごとに描き下ろされたメインビジュアルも一挙展示するほか、最後の展覧会のための新たな大作《終幕》(2022年)も公開している。