現在休館中の横浜美術館から、2024年~2025年の企画展スケジュールが届いた。
3年にわたる大規模改修工事を終えて、3月に「第8回横浜トリエンナーレ」でリニューアルオープンした横浜美術館。6月9日にトリエンナーレが閉幕し、現在は工事のあいだ外部倉庫に保管していた約14000点のコレクションを館内に戻す作業のため、再び休館に入っているが、11月に「じゆうエリア」の一部や、「市民のアトリエ」、「子どものアトリエ」など教育普及プログラムを再開し、2025年2月にすべての活動を再開する。全館オープンが待ち遠しい、充実のラインナップをお届けする。
全館オープンのトップを飾るのが、真正面から「横浜」を取り上げる「おかえり、ヨコハマ」。開港以前にこの地に住んだ人々、170ヶ国籍を数える市民、横浜発の意外なプロダクトなど、多様なヨコハマの姿に光を当てる展示は、コレクションと新作で構成される。タイトルには、約3年の工事休館を経て「横浜美術館が帰ってきた」意味と、「生きた時代や生まれた地域を問わず、横浜に関わるすべての人を『おかえり』といって迎え入れたい」という願いが込められている。
『ピタゴラスイッチ』『だんご3兄弟』『0655/2355』などの教育番組、『バザールでござーる(NEC)』『モルツ(サントリー)』 『スコーン(湖池屋)』をはじめとするCM、《計算の庭》《指紋の池》に代表される身体表象をテーマにしたインタラクティブアート。表現者、教育者として、様々なメディアを用いて斬新かつ親しみやすいコンテンツを発表し続けてきた佐藤雅彦。 40年にわたる創作活動を概観し、通底する独創的な思考方法と表現手法、感性を浮き彫りにする。
地理的にも文化的にも近しい他者として、長い歴史を歩んできた日本と韓国。1945年以降今日に至るまでの美術は、どのような関係にあったのか。二国間の接点や断絶、共通点と差異を中心に考えると、たがいの意外な姿が立ち上がってくるかもしれない。1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせ、韓国国立現代美術館との共同企画により、日韓現代美術の関係史をひもとく。
そのほか、休館中の取り組みとして、2024年7月5日~7日に現代美術家淺井裕介の新作《八百万(やおよろず)の森へ》の3日間限定特別展示(観覧無料)が開催される。《八百万の森へ》は、横浜信用金庫創立100周年記念事業として、横浜市文化基金に寄せられた寄附金を財源に制作を委嘱し、コレクションに加わった作品。横浜市内の土が用いられ、多くのひとや場所との交流が生まれた作品をぜひ味わいたい。