「映像とは何か」という問いを投げかけながら、毎回テーマをかかげて国内外の映像表現を紹介する恵比寿映像祭。第16回を迎える2024年度の総合テーマが「月へ行く30の方法」に決定した。会期は2024年2月2日〜18日。東京都写真美術館を中心に、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所が会場となる。
今回の映像祭の特徴のひとつは、映像の一回性に着目している点だろう。上映プログラムと展示プログラムを接続し、双方向の横断を試みたプログラムづくりを展開していく。今回のテーマである「月へ行く30の方法」では、写真や映像を主とした様々な表現によってひもとき、アーティストだけでなく、そこに参加する観客とともに考えていく試みを目指している。
東京都写真美術館の2階とB1階展示室では、コレクションを含む、多様な社会的・文化的背景を持った作家たちの映像、写真、資料などを展観し、そこから導かれる集合的知性によって我々の未来の在り方を探っていく。また展示室の中央では、連日、パフォーマンス、トーク、ディスカッション、ワークショップなどが行われ、作家と来場者がコミュニケーションを交わし、ともに思考を重ねていく場となる。
前回から加わった「コミッション・プロジェクト(東京都写真美術館の3階展示室)」は見逃せない。これは日本を拠点に活動する新進アーティストを選出し、制作委嘱した映像作品を“新たな恵比寿映像祭”の成果として発表するものだ。会場は東京都写真美術館。また前回特別賞を受賞した2名のアーティストである荒木悠、金仁淑(キム・インスク)による特別展示が、総合テーマと連動させながら具現化される。このコミッション・プロジェクトのみ、2024年3月24日まで開催される。
また、期間中に審査会も実施され、次のコミッション・プロジェクトで特別展示されるアーティストが決定する。映像表現に通じた国内外の有識者5名(メディア・アーティストの沖啓介や山口情報芸術センター[YCAM]、Gudskul Ekosistemキュレーターのレオナルド・バルトロメウなど)により、会期中に4名のアーティストが選出され、結果も発表される。
総合テーマ「月へ行く30の方法」の文脈から、現代作品と東京都写真美術館のコレクション作品を結びつけることで、作品の背後にある歴史や思想を遡り、現代を考察する機会になりそうだ。各会場の全プログラムの詳細は、12月中旬に発表予定だ。
名称|恵比寿映像祭2024「月へ行く30 の方法」
Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2024
‟30 Ways to Go to the Moon”
会期|2024年2月2日~2月18日[15日間]
月曜休館〈ただし12日(月・振休)は開館し、13日(火)休館〉
※コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ3月24日(日)まで
時間|10:00〜20:00(18日は18:00まで)
※2月20日~3月24日のコミッション・プロジェクトは10:00〜18:00(木・金は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
会場|東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか
主催|東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/日本経済新聞社
料金|入場無料
※一部のプログラム(上映など)は有料
公式HP| www.yebizo.com
公式SNS|X(旧Twitter):twitter.com/topmuseum
Instagram:instagram.com/yebizo
お問い合わせ|03-3280-0099(代表)