『おなじ太陽の下で』 1962 監督:望月優子 スクリプター:城田孝子 画像提供:国立映画アーカイブ
東京・京橋の国立映画アーカイブ小ホールで、日本における女性映画人の歩みを振り返る特集上映「日本の女性映画人(1) 無声映画期から1960年代まで」が開催される。上映期間は2023年2月7日から3月26日。
従来の日本の映画製作の現場では男性が圧倒的多数を占め、そのなかでスタッフとして働いていた女性たちの多くはこれまで見過ごされてきたが、その活躍が近年再評価されつつある。今回のパート1では、無声映画期から1960年代以前にキャリアを開始した女性映画人80名以上が参加した作品を対象に、劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションまで、計81作品(44プログラム)を上映する。
女性監督第一号として『開拓の花嫁』(1943年)を監督した坂根田鶴子、女優から監督に進んだことでも知られ『乳房よ永遠なれ』(1955年)などを監督した田中絹代や、『おなじ太陽の下で』(1962年)を監督した望月優子。『キクとイサム』(1959年、監督は今井正)の脚本を担当した水木洋子、『夕やけ雲』(1956年、監督は木下恵介)を編集した杉原よ志、衣装デザインとして『狂った果実』(1956年、監督は中平康)に携わった森英恵など、同企画では、監督・製作・脚本・美術・衣裳デザイン・編集・結髪・スクリプターなど様々な分野で女性が活躍した作品を取り上げる。
戦前の日本映画の黄金期に大手映画会社で健筆をふるった鈴木紀子を中心として、戦前の女性脚本家にスポットライトを当てる小特集「鈴木紀子と戦前の女性脚本家たち」 も実施し、女性映画人たちの歴史と活動の厚みを示し、日本映画への新たな視座を切り拓く特集となるだろう。
各プログラムのチケットは、2023年1月31日以降、毎週火曜日10:00より、翌週(火~日)上映回分を公式ホームページにてオンライン販売する。詳細や各作品の解説は、こちらの公式ホームページを参照してほしい。