『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』(配給:アンプラグド)が、6月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国順次公開される。本作は、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。
監督は『PERFECT DAYS』(23)で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。『パリ、テキサス』(84)、『ベルリン・天使の詩』(87)などの劇映画だけでなく、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(11)などのドキュメンタリーも手がけ、高い評価を受けている。
アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で創造する戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門受賞。一貫して戦後ドイツ、そして死に向き合い、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。
制作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。目の前に存在するかのような立体的で奥行きのある映像で、ドキュメンタリー作品の新しい可能性を追求。「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」とヴェンダース。キャストには、本人のほか、青年期をキーファーの息子のダニエル・キーファー、幼少期をヴェンダースの息子、アントン・ヴェンダースが演じる。
2025年3月下旬から6月下旬まで、世界遺産・二条城でアンゼルム・キーファーの大規模個展が開催されることも決定。目の前にアンゼルム・キーファーの巨大で立体的な芸術品が迫りくるような迫力ある3D映像を、ぜひ劇場で確かめて欲しい。