学生による油絵の振興・作品保存・国際交流などを目的する日本学生油絵会が主催する「学展」。1950年に「全日本学生油絵コンクール」としてスタートし、70年以上の歴史を持つ同展が、今年も六本木・国立新美術館で開催される。期間は8月11日から21日まで。
その関連企画として学展特別展示「UNKNOWN VISITORS」が同館の2D室で同時開催される。出品作家は岸裕真、友沢こたお、布施琳太郎、芝田日菜、星加曜、水野幸司の注目を集める新進作家6名。
「接触」という言葉から考案された展示であるという同展は、以下のようなコンセプトを持つという。
接触する行為によって私たちが自明だと思っていた世界が仮初のものに過ぎないことが明らかになり、異なる世界が現れることがあるとすればそれは日蝕のような現象であるだろう。自明と考えられていた太陽(=世界の秩序)の存在が突然消えることによって現れる、太陽のない世界。これは夜ではない。太陽の消滅した世界(=我々が生きていた世界の終焉と別の世界の現れ)を我々に実感させる。そしてこれは起こり得ないことではないし、オルタナティブ(alternative 代替の、代わりの)な世界と呼べる程生やさしいものではない。接触を通して現れてしまう、一度踏み込んだらもう後には戻ることのできないような世界の現れ。このような現象の総体を「接蝕」と呼びたい。
時代を反映した世界に対する眼差しを感じさせるテーマに、6名の作家がどのように挑むか楽しみに待ちたい。
「第72回学展 アート&デザインアワード」「UNKNOWN VISITORS」
会期:2022年8月11日〜8月21日
会場:国立新美術館
開場時間:10:00〜18:00
休館日:火
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