青森県にある十和田市現代美術館が2022〜23年度の企画展情報を発表した。2022年6月18日〜11月20日は、日本の美術館個展が10年ぶりとなる名和晃平。そして12月10日〜2023年6月4日は、これがキャリア初の美術館個展となる百瀬文が登場する。
「セル(細胞・粒)で世界を認識する」という独自の概念を軸に、ガラスや液体などのさまざまな素材や技法を用い、彫刻の新たなあり方を追求してきた名和は、《PixCell-Deer#52》をすでに同館に寄託展示しているが、今回は同作を中心に据え、初公開の新作や近作を公開。流動する液体が無数の泡を生み出す作品や、粘度のある液体の雫がキャンバスの上に符号のようなパターンを描いていく絵画などを展示する予定だ。
いっぽう今年7月から始まる国際芸術祭「あいち2022」や主要美術館でのグループ展への参加が続く百瀬は、今回のために「女性声優」をテーマにした新作を発表する。女性が少年役を演じることの多い日本発アニメの文化的環境を背景に、声優自身の性とキャラクターの性の流動的な関係性に焦点を当てる。また、そのテーマにつながる過去の作品も出展する。
これまでも毛利悠子、AKI INOMATAといった新進アーティストの美術館初個展を積極的に行ってきた十和田市現代美術館。2022年以降も新たな才能を世界に発信していくだろう。