日本最大規模のギャラリーコンプレックス「TERRADA ART COMPLEX」に、新ギャラリー「小山登美夫ギャラリー天王洲」が3月オープンする。これで、同コンプレックスに入居するギャラリーは20軒目となる。
小山登美夫ギャラリーは1996年に東京・江東区佐賀町で開廊し、当初より海外アートフェアへ積極的に参加し、同世代アーティストを国内外に発信、日本における現代アートの基盤となる潮流を創出してきた。清澄白河などを経て2016年に六本木へ移転し、このたび天王洲に2軒目となるスペースをオープンする。
新スペース第1回の展覧会はシュ・ニン展「天下(WORLD)」を開催する。会期は3月5日~26日。
シュは1979年北京生まれ。北京の首都師範大学油画専攻専科卒業後、2006年家族とともに日本へ移住し、2020年多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻修了。現在神奈川県を拠点に制作活動を行っている。作品制作において、母国中国の古代思想や、ヤン・ファン・エイクをはじめとしたネーデルラント絵画の迫真のリアリティ、ドルチェ&ガッバーナのファッションの装飾と革新性や、自然の美、生命の儚さなど、時代や国境、ジャンルを越えた事象から多くの影響を受けてきた。
制作手法としては、大きなキャンバスに、面相筆(穂先のきわめて細長い筆)で色面や線を一筆一筆重ねて描き上げるという緻密さと同時に、ドリッピングによる絵具の跳ねや垂れの偶然性も共存させる。また、絵具の色の鮮やかさ、盛り上がりと白いフラットな部分の対比により作品に躍動感と迫力を生み出してる。
これまでの個展に「Season-Letter」(小山登美夫ギャラリー、東京、2021)、主なグループ展に「シェル美術賞 アーティスト・セレクション2021」(国立新美術館、東京)、「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」(川崎市岡本太郎美術館、2021)、受賞歴として「国際瀧冨士美術賞」優秀賞(2017)、「アートアワードトーキョー丸の内2020」グランプリ(2020)、「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」入選(2021)。
「TERRADA ART COMPLEX」では、昨秋、タカ・イシイギャラリーが同コンプレックスにオフィスとビューイングスペースを開設したことも記憶に新しい。2月22日時点での入居ギャラリーはMAKI、 KOTARO NUKAGA、児玉画廊、TSCA、ユカ・ツルノ・ギャラリー、ANOMALY、小山登美夫ギャラリー天王洲、SCAI PARK(SCAI THE BATHHOUSE運営スペース)、KOSAKU KANECHIKA、MAKI、YUKIKO MIZUTANI、Gallery UG TENNOZ、Tokyo International Gallery、Contemporary Tokyo、MU GALLERY、THE ANZAI GALLERY、SOKYO ATSUMI、タカ・イシイギャラリー、T&Y Projects、ShugoArts Studioの計20軒。