4月の前半は、アートフェア東京をはじめとした大きなアートイベントがいくつも重なりました。
まずはTAB上でも大きく宣伝を続けていた101TOKYO Contemporary Art Fair 2008。4月3日から6日にかけて、秋葉原の旧練成中学校を会場として今年はじめて開催されたこのフェアの特徴はコンテンポラリーアートへの特化と国際性。海外から14、日本から14からのギャラリーが出展しました。
ユニークなブースのデザインや、テーマカラーのオレンジをふんだんに用いた装飾にわくわくさせられ、イベントやコラボレーション展示も多数。よい意味でユニーク、カジュアル、エネルギッシュなフェアは特に若い客層の心をつかんでいたようです。
入場者数は延べ約5000人、総売上は1億円。売上に占める割合は海外50%、日本50%だったとのことです。またメインアドバイザーであるジョニー・ウォーカー氏によって設立された現代アート賞「The Bacon Prize」は、イギリスのWorkplace Galleryより出展されたJo Coupe氏に送られました。
101TOKYOの翌日に開幕したのは、日本で最大のアートフェアとしておなじみのアートフェア東京。第3回目となる今回は、古美術・工芸系21、日本画・洋画系43、現代アート系44(うち海外7)の計108ギャラリーが出展しました。
これだけの数のギャラリーが揃うとやはり目にとまるギャラリー、作品も多く、じっくり鑑賞したり、購入の検討をするにはやはりこちらが一枚上手かもしれません。
入場者数はプレビューを含めた4日間で、前回より11,000人多い43,000人。会期終了直後の総売上げは前回と同等の10億円となったそうです。
2つのアートフェアにぶつけてアートオークションも開催されています。
4月4日に開催されたエスト・ウェストオークションの「ポスト・ウォー&コンテンポラリーアート」部門には211点が出品され、201点が落札(落札率95%)。天明屋尚の《BUNSHIN》(2005,acrylic on panel,416×219cm)が2800万円、草間弥生の《夢に見た銀河》(1993,acrylic on canvas,194×582cm)が5500万円など。落札総額は4億4000万円にのぼりました。
シンワアートオークションは、4月5日にアートフェア東京の会場隣、東京国際フォーラムCでコンテンポラリーアートオークションを開催。アートフェア会場ではプライマリ価格で出ていてもおかしくない現役作家の作品も多く出品されていました。
海老原靖の《Lust -Ambiguity-》(2007,oil on canvas,116.7×116.7cm)が500万円、草間彌生の《INFINITY-NETS XZASST》(2007,acrylic on canvas,162.1×162.1cm)が2300万円など。落札総額は3億1700万円あまり、落札率は91.15%でした。
また、AJCオークションも4月5日にコンテンポラリーアートオークションを開催しています。
アートフェア東京をふくむ丸の内エリアでは丸の内アートウィークスがうたわれ、一斉にアートイベントが行なわれました。TABで発行をはじめたTokyo Art Mapでもこれにタイアップして、各イベントをフィーチャーしています。
新丸ビルの7階では、青山|目黒、ARATANIURANO、ZENSHI、Take Ninagawa、MISAKO&ROSEN、無人島プロダクション、ユカササハラギャラリーといった7つの若手ギャラリーがニュートーキョーコンテンポラリーズを開催。
広々とした通路の各所にもテーブルセットが置かれ、フード&ドリンクをテイクアウトして飲食可能、クラブのように大音量で音楽が流れフロア全体の雰囲気を楽しむことができる新コンセプトの飲食店街「(marunouchi) HOUSE」の各所にアート作品が展示されました。
一方丸ビルの1階には、オープンスペースに体験型のインスタレーションが設置されたり、期間限定のアートカフェが出現するなどしていました。
今年で2回目となるアート アワード トーキョー 2008では、昨年と同様に国内の主要な美術大学の卒業制作展から選抜した作品40数点を行幸地下ギャラリーに展示。グランプリは大田黒衣美さん、準グランプリは明石雄さんに決定しました。展示は5月6日まで行なわれています。
Makoto Hashimoto
Makoto Hashimoto