東京都庭園美術館 本館 正面外観
1933年に皇族朝香宮家の自邸として建てられた建物を本館とし、1983年に美術館として開館した東京都庭園美術館。同館で2025年度に開催される展覧会のラインアップが発表された。詳細が公開されたのは3つの展覧会。
第二次世界大戦後、東西分割統治されて誕生した「西ドイツ」。西ドイツでは、過去にバウハウスで提唱されたデザインのモダニズムを再び取り入れながら、過去の模倣にとどまらないデザイン理論の実践と発展がなされた。本展では、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラーとカタリーナ・ズセックによって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料から、約125点のポスターをはじめ、冊子や雑誌など多彩な作品を展示。幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの4カテゴリーに分けて紹介する。
旧朝香宮邸の建築の魅力を紹介するため、年に1度行われている建物公開展が2025年も開催。旧朝香宮邸の建物は、時代の潮流とともに、「邸宅」「政務の場」「迎賓館」「催事施設」など様々な機能を持って歴史を紡ぎ、現在は美術館として42年目を迎える。今回は、この建築空間の「機能の変遷」に着目し、建物がどのような機能や役割を果たし、人々を共生してきたのかを探る。各時代を彩るゆかりの作品や写真・映像資料を通して、建物の記憶をひもとく。
旧朝香宮邸の設計や装飾に多大な影響を与えたパリの「アール・デコ博覧会」の開催100周年を記念する展覧会。フランスを代表する宝飾メゾン「ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)」の作品から、アール・デコ博覧会の宝飾部門でグランプリを受賞した《ローズ ブレスレット》をはじめ、歴史的価値が認められる「パトリモニー コレクション」より厳選された名品が一堂に会し、アール・デコの魅力を伝える。