岡本太郎 燃える人 1955 東京国立近代美術館蔵 ©️ 岡本太郎記念現代芸術振興財団
東京・上野公園内にある東京都美術館の2022年度スケジュールが発表された。
4月22日から始まるのが「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」(4月22日〜7月3日)。世界有数の西洋絵画コレクションを有するスコットランド国立美術館から、ラファエロ、ベラスケス、レンブラント、モネ、ゴーギャンなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画の巨匠たちの作品を展示する。
6月11日からは、公募で選ばれた3グループの展覧会が同時開催される「都美セレクション グループ展 2022」(6月11日〜7月1日)。ギャラリーAでは「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」、ギャラリーBでは「ものののこしかた」、ギャラリーCでは「眼差しに熱がこぼれる」。従来の発想にとらわれない新しい表現を追求する現代作家たちの、東京都美術館の展示空間を存分に生かした発表に期待したい。
続いて、7月23日からは「ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)」(7月23日〜10月2日)。ボストン美術館からおよそ60点が来日し、エジプトのファラオやヨーロッパの王侯貴族、皇帝たちが自らの権力を誇示するためにつくらせた彫刻や肖像画などを紹介する。そもそも同展は2020年4月に開催される予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で残念ながら中止になった。満を持しての開催を楽しみに待ちたい。


そして、同展と同時期に開催されるのが「フィン・ユールとデンマークの椅子」(7月23日〜10月9日)。デザイン大国であるデンマークの様々なイスを紹介するとともに、モダンファニチャーの黄金期を築いたフィン・ユールに焦点を当てる。

10月18日からは、世代を超えて爆発的人気の芸術家・岡本太郎の回顧展「展覧会 岡本太郎」(10月18日〜12月28日)が始まる。代表作・重要作だけでなく、これまで紹介される機会の少なかった晩年の作品までを網羅し、岡本太郎の思想・生き方を体感する展覧会になるという。


年を明けての注目企画が「エゴン・シーレ展(仮称)」(2023年1月26日~4月9日)。19世紀末ウィーンを代表する画家エゴン・シーレのわずか28年間という生涯をレオポルド美術館の所蔵品を中心に辿る。
このほかにも、建築ツアーや障がいをもつ方のための特別鑑賞会など、様々な企画が予定される東京都美術館の2022〜23年に注目だ。