芸術家、発明家、科学者の顔を持ち、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されるオランダ出身のテオ・ヤンセン(1948〜)。プラスチック・チューブや粘着テープなど身近な材料でつくられた「ストランドビースト」は、ヤンセンのもっとも有名なプロジェクトだ。風を受けて生き物のように動く姿は、まるで生命体。これまでにも日本でも多くの展覧会が実施され、人気を博してきた。
この度、10月27日〜2024年1月21日に千葉県立美術館では《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》(2013)をはじめ、10mを超える作品を含む10体以上のストランドビーストが集結する。デルフト工科大学で物理学を専攻したのち、画家に転向したヤンセンは、その後風力で動く「ストランドビースト」の制作を開始。オランダが直面する海面上昇問題に対する意識から生まれたビーストは、オランダという風土が生み出した芸術作品ともいえる。
ヤンセンの出身地でもあるオランダ・バーグのリゾート地であるスフェベニンゲン。本展では、この砂浜で美しく疾駆するビーストの映像とともに、発想の源となった自筆スケッチや、パーツとなるチューブにいたるまで、テオ・ヤンセンとビーストの全貌も紹介される。
12月3日には、千葉の海岸をストランドビーストが歩くイベントも同時開催。場所は千葉ポートパーク内ビーチプラザ(※雨天・荒天の場合は中止)。子供にも人気の組み立てて楽しむ人気のミニチュア模型「ミニビースト」シリーズもミュージアムショップで販売。ミニチュア模型「ミニビースト」をうちわであおいで、タイムを競う「ミニビースト共創」も12月24日、2024年1月7日に開催予定だ。イベントの詳細は千葉県立美術館ホームページで随時更新されるのでチェックしたい。
オランダ語で「砂浜の生命体」という意味のストランドビースト。 実際に動いて迫り来る作品の迫力を間近で見てみよう。