公開日:2018年2月6日

演劇の共有地を生み出すプロジェクト「シアターコモンズ ’18」開催決定

東京・港区内で2月22日、森村泰昌、小泉明郎、藤井光、萩原雄太/かもめマシーンなどが参加

演劇の「共有知」を活用し、社会の「共有地」を生み出すプロジェクト「シアターコモンズ」が2月22日(木)から開催される。都市にあらたな「コモンズ=共有地」を生み出すプロジェクトとして、演劇公演、レクチャーパフォーマンス、ワークショップ、対話型イベントなどを東京・港区内で3週間にわたり開催する予定だ。

森村泰昌「芸術家Mの『にっぽん、チャチャチャ!』参考画像 「烈火の季節 / なにものかへのレクイエム」(2006)より

現在、発表されている参加アーティストは、森村泰昌、小泉明郎、藤井光や海外アーティストを含めた計9組。演劇公演に加えて、レクチャー形式やワークショップ、対話型イベントを集中的に実施することにより、異質なものや複数の時間が交わり、日常を異化するような対話や発見をもたらす経験をアーティストとともに仕掛けていく。

マーク・テ/ファイブ・アーツ・センター「バージョン2020:マレーシアの未来完成図、第3章」 © Franz Kimmel

本プロジェクトのディレクター、相馬千秋(芸術公社)は、世界が「劇場化」していると警鐘を鳴らす。「小池劇場、トランプ劇場、劇場型選挙といった表現がメディアを踊り、ヘイトやテロリズムなど極端な思想信条がコマーシャル動画のように物語化されネット上に拡散されています」。嘘か真実かは問題ではなく、人々の潜在的な欲望を代弁し、むき出しの好奇心を満たすシナリオが求められる時代。しかし相馬は「むしろ劇場とは、対象から距離をとり、観察し、議論し、社会を変革していくための場所としてある」と本来の劇場の意義を語る。

藤井光「ピレウス/ヘテロクロニア」 © Hikaru Fujii

2年目となるプロジェクトは、「劇場」とは異なる場所でどのような体験をもたらすか、注目だ。

■開催概要
名称:シアターコモンズ ’18
会期:2018年2月22日(木)〜3月11日(日)
会場:東京都港区エリア各所
主催:シアターコモンズ実行委員会
参加アーティスト:ブシュラ・ハリーリ、藤井光、ジュリアン・フルネ/アミカル・ド・プロダクション、マーク・テ/ファイブ・アーツ・センター、森村泰昌、萩原雄太/かもめマシーン、小泉明郎、シュウ・ジャウェイ、劇団アルテミス ほか
チケット:公式サイトからコモンズパスを購入
問い合わせ先:artscommons.tokyo.inquiry@gmail.com

(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)

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