レイチェル・ジョーンズ lick your teeth, they so clutch 2021 © Rachel Jones. Photo Tate (Sam Day, Rod Tidnam)
1500年以降のイギリス美術を収集する国立美術館、テート・ブリテン(ロンドン)。10年ぶりとなるコレクションの包括的な展示替えが行われ、5月23日にオープンする。鑑賞料は無料。
作家数は350名を超え、著名アーティストの作品から新たなコミッション作品など800点以上の作品が展示される。2000年以降に収集された200点以上の新収蔵品も含まれ、コレクションの現在進行中の変化を見せるという。
#TateBritain has been rehung! 🏛️ Discover over 800 works by over 350 artists, many on the walls for the first time. This new journey through the gallery paints a vibrant picture of Britain across 500 years of art, and we can't wait to share it with you. ❤️ https://t.co/bpO69gDnH6 pic.twitter.com/hydFAZIgxX
— Tate (@Tate) May 23, 2023
なかでも大きな変化は、女性アーティストの作品に重点が置かれたことだ。現代作家の半数は女性で、ブリジット・ライリーやトレイシー・エミンといった著名作家をはじめ、1993年生まれでロンドン在住のジンバブエ人であるクザナイ=バイオレット・ワミ、1992年アルジェリア生まれのリディア・オウラフメイン、1991年生まれのレイチェル・ジョーンズ、1997年生まれでディアスポラやクィアをテーマに制作するレニ・マテッチ(Rene Matić)など、多様なルーツを持つ若手作家も含まれる。
テートは「コレクションの多様化に長年取り組んできた」とし、「これまでテートで展示されたことのない作家を含む、17〜19世紀の偉大な女性芸術家を展示する」という。
たとえばイギリスで初めてプロの油彩画家として活躍したといわれるジョーン・カーライル(1606〜79)による肖像画は、2016年にコレクションに入った。
2021年にはエミリー・サージェント (1857〜1936)が北アフリカを旅した際に描いた水彩画29点も取得している。エミリーはロンドンやパリで活躍したアメリカ人画家ジョン・シンガー・サージェント(1856〜1925)の妹だが、これまで兄ほどの注目を浴びてこなかった。これらの水彩画は、1998年に遺族がトランクの中から発見した440点の一部だという。
また2022年に取得されたヴィクトリア朝時代の重要作家であるマリアンヌ・ストークス(1855〜 1927)の絵画《A Fisher Girl's Light》(1899)も展示される。
このほか、これまで同館で愛されてきたジョン・エヴェレット・ミレイ《オフィーリア》(1851〜52)をはじめ 、J.M.W.ターナーの作品が100点以上展示されるほか、ウィリアム・ブレイク、ウィリアム・ホガース、デイヴィッド・ホックニー、バーバラ・ヘップワース、クリス・オフィリなど、世界最大のイギリス美術コレクションを楽しむことができる。
同館のイギリス美術コレクション・ディレクター、ポリー・ステープルはステートメントで以下のコメントを寄せている。
「テート・ブリテンの新しい展示は、イギリス美術史の正典(カノン)を拡大し多様化するという我々の取り組みを体現するものです。近年、私たちは多くの素晴らしい作品をコレクションに加えましたが、来場者はこれらの新収蔵作品を多くの人に愛されている古典作品とともに見ることができるようになるでしょう」。