京都市京セラ美術館の開館90周年を記念して、特別展「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」が、2023年10月7日〜12月3日に開催される。前期展示、後期展示と分かれて作品が入れ替わる。栖鳳の大規模個展が京都で行われるのは、10年ぶりだ。
戦前の京都画壇を代表する作家である竹内栖鳳(1864〜1942)。西洋画を含めて諸派の表現を融合し、京都日本画の近代化を牽引するとともに、写生にもとづく自然への視点や、省筆の鮮やかさに独自の境地を拓いていった人物だ。
展示では、重要文化財《絵になる最初》をはじめ、若手時代から円熟期まで、栖鳳の代表作を一堂に集めて、その画業を振り返る。栖鳳の技術の発展、表現の推移、そして挑戦の軌跡を辿る内容だ。またこれまであまり注目されてこなかった、栖鳳の青年期作品にも焦点が当てられる。若い頃に感じた苦悩や新表現への執念、受けた批判などを作品とともに振り返り、栖鳳の人生を追っていく。
130点の作品のなかには、写生や下絵も数多く展示される。栖鳳がもっとも重要視した写生から、世界を見つめたまなざしやものの考え方、制作姿勢が見え隠れする。下絵にも下絵ならではの生き生きとした線が見られ、動物画などを得意とした栖鳳の本領が発揮されている。新発見作品も本邦初公開。《羅馬遺跡図》(1903)は、イタリア、ローマの遺跡を描いたとされ、栖鳳の渡欧体験を反映した作品として、見逃せないだろう。
関連プログラムとして、学芸員による講演会や日本画家の定家亜由子と福田季生によるクロストーク「わたしたちの好きな栖鳳」も開催される。明治から昭和まで、京都画壇の中心であり続けた竹内栖鳳という作家の生涯をひもとき、その魅力を再認識できる機会になりそうだ。
◎関連プログラム
会場:京都市京セラ美術館地下1階講演室(ギャラリートークは展示室内)
料金:無料(予約不要、先着順、要本展観覧券)
講演会「栖鳳の芸術について」
日時:2023年10月14日14:00~15:30
講師:平野重光(美術史家、元京都市美術館学芸課長)
講演会「竹内栖鳳、京都画壇にあらわる」
日時:2023年11月5日14:00〜15:30
講師:森光彦(京都市京セラ美術館学芸員)
概要:日本画の破壊と創生はいかにしてなされたか。本展担当学芸員が、竹内栖鳳が京都画壇に残した足跡を名品とともに解説します。
クロストーク「わたしたちの好きな栖鳳」
日時:2023年11月18日13:00~14:30
登壇:定家亜由子(日本画家)、福田季生(日本画家)
概要:京都を拠点に活動する80年代生まれの二人が、栖鳳の魅力を語ります。
当館学芸員によるギャラリートーク
日時:2023年10月28日、11月25日 14:00~15:00
竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー
会期:2023年10月7日~12月3日
前期:10月7日~11月5日
後期:11月7日~12月3日
会場:京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
料金:一般:1800(1600)円
大学・高校生:1300(1100)円
中学生以下無料
※( )内は前売、20名以上の団体料金
※京都市内に在住・通学の高校生は無料
※障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料(学生証、障害者手帳等確認できるものをご持参ください
主催:京都市、京都新聞、ライブエグザム、BSフジ、日本経済新聞社
協力:株式会社サンエムカラー
◎前売券発売日:2023年7月24日
美術館公式オンラインチケット、チケットぴあ(Pコード:686-583)、ローソンチケット(Lコード:54609)、セブンチケット(セブンコード:102-038)ほか主要プレイガイドなど