公開日:2023年4月27日

次の大河ドラマは蔦屋重三郎が主人公! 歌麿や写楽、北斎らを見出した江戸のメディア王を描く『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』。主演は横浜流星

2025年1月からNHKで放映される大河ドラマ「べらぼう ~蔦重つたじゅう栄華えいが乃の夢噺ゆめばなし〜」は、作・森下佳子 × 主演・横浜流星。有名な浮世絵など江戸の才能を多数送り出してきた蔦屋重三郎が主役となる本作はアートファンも必見?

NHK公式サイトより 出典:https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=38344

2024年の大河ドラマは『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』
作・森下佳子×主演・横浜流星 

4月27日、NHKは2025年放送予定の大河ドラマ制作・主演発表会見を行った。タイトルは『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(読み:つたじゅうえいがのゆめばなし)、主演は横浜流星、脚本は森下佳子が務める。

江戸のメディア王蔦屋重三郎とは?

主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎(1750〜1797)は、数々の才能を世に送り出した“江戸の出版王”であり、いまで言う名プロデューサー。

喜多川歌麿東洲斎写楽といったスター絵師を発掘し、「浮世絵の黄金期」を築いた人物だ。ほかにも葛飾北斎、山東京伝曲亭馬琴十返舎一九ら、のちの巨匠となり日本文化の礎を築く者の才能を見出した。

版元として出版物に登場した肖像画 出典:Wikimedia Commons

浮世絵版画は、絵師・彫師・摺師の三者の共同制作によって生まれるが、その企画から制作、販売までを担っていたのが「版元(はんもと)」で、現在の出版社にあたるもの。江戸郊外の吉原の貧しい庶民の子に生まれ、幼くして両親と生き別れ、引手茶屋(ひきてぢゃや)の養子となった蔦重は、本屋(貸本屋)から身を興したのちに、出版業を始めた。

重三郎は24歳のとき、吉原の店ごとに遊女の名を記したガイドブック「吉原細見」の出版に参画し、序文の執筆者に平賀源内を起用して注目を集める。のちに蔦屋が「吉原細見」の版元となり出版を独占、頭角を現した。

その後、喜多川歌麿との出会いから、多色摺の狂歌絵本や錦絵などを送り出し、ブランドを確立。蔦屋から出版された美人大首絵が人気を博し、歌麿は現在まで「美人画」の大家として知られることとなった。

また、当時無名であった東洲斎写楽による役者絵を、特別な仕様で28枚も一挙に世に出すという、大胆な出版も行った。写楽は約10か月の短い期間のみ活動し姿を消したとされる謎の多い絵師だが、いったい蔦重は何を考えてこのようなことをしたのか? 本ドラマでどのように描かれるのか期待が高まる。

東洲斎写楽「三世大谷鬼次奴江戸兵衛」 出典:Wikimedia Commons

また寛政の改革では、その表現が大きく規制されることにもなった。NHKの公式サイトには「松平定信による寛政の改革では、蔦重の自由さと政治風刺は問題になり、財産の半分を没収される処罰を受ける。周囲では江戸追放や死に追いやられるものもあらわれる…蔦重は、その後も幕府からの執拗な弾圧を受け続けるが、反権力を貫き通し、筆の力で戦い続ける」との説明があるので、蔦重の戦いにも注目したい。

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