公開日:2022年7月20日

水戸芸術館で「立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON」が開催。作家が手掛ける『球体』最新号も図録として発刊

2022年7月23日から10月10日まで水戸芸術館現代美術ギャラリーで。会期中にはパフォーマンスも随時開催

球体9 『機会 OPPORTUNITIES』 2021

紙と文字の可能性を探る

文字や紙、本を素材・テーマに作品を制作してきたアーティスト・立花文穂による美術館での初個展「立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON」が、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。会期は2022年7月23日から10月10日。

製本業を営む家に生まれた立花は、幼少期より身近に存在した紙や印刷物、文字などから着想を得て、「よせ集める」「つなぎ合わせる」という行為を通じ新たなかたちを作り出してきた。2000年からは、活版による印刷物や大判カメラで撮影した写真、さらにブロンズによる彫刻など「文字」を基軸にした作品を制作し、その表現の可能性を探り続けている。

へのへのもじへ 2014

個人としての作品制作と並行して、ハガキやポスターなどの多種多様な印刷物や本などのグラフィックデザインを手掛ける立花は、2007年からは自ら責任編集とデザインを担当する媒体『球体』を発行。今回の展示にあわせて発行される展覧会図録も、同作の第9号になっている。

『球体 1』 2007

四半世紀にわたる立花の創作活動を振り返るとともに、新たな展開を紹介する今展では、美術・グラフィックデザイン・編集・印刷・出版……と、様々な領域を横断してきた作家の営みを概観するものとなる。また、2021年夏に開催された「東京ビエンナーレ2020/2021」で発表した、立花が所有する活版印刷機を「楽機」として演奏(操作)しギターや鍵盤プレーヤーとのコラボレーションしたパフォーマンス「機会 OPPORTUNITIES」を実演。会期中、不定期で実施されるので、開催日程は美術館ホームページやTwitterなどのSNSでチェックしてほしい。

木のなかに森がみえる 2007
クララ洋裁研究所 2000 撮影:久家靖秀

紙に触れること、文字を書くこと、を表現の原点とし、次第に作家個人や土地の歴史とも結びついてきた立花の探索・創作の思想・思考に触れてみたい。

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