2019年、六本木から南町田グランベリーパークに移転したことで約2倍の広さで生まれ変わったスヌーピーミュージアム。ここは、 スヌーピーの生みの親、チャールズ・シュルツ監修のもと開館したシュルツ美術館(アメリカ・カリフォルニア)の世界で唯一の公式サテライト(分館)。つまり、世界に数少ないスヌーピー生みの親公認のミュージアムと言える場所だ。スヌーピーをはじめ、スヌーピーが登場するマンガ作品「ピーナッツ」の個性豊かなキャラクターと出会える同館が2024年2月1日にリニューアルオープンを迎えた。
今回のリニューアルのポイントは、常設展示の大幅な拡充やミュージアムショップで販売するオリジナルグッズの充実。なかでも新たに常設展示に加わった「スヌーピー・ワンダールーム」は、「みんなでつくる、みんなのミュージアム」のコンセプトのもと、古今東西のスヌーピー・グッズに加え、ファンの人々が寄贈した思い出の品々が並ぶ濃密な空間で、ぬいぐるみ、洋服、ステーショナリーなど1000点以上が集まっている(筆者自身もかつて愛用していたスヌーピーグッズを発見!)。現代の博物館の前身となる15〜18世紀のヴンダーカンマー(驚異の部屋)から着想を得たのだそうだ。
同じく常設展として新設された「スヌーピー・ルーム」は、ミュージアムの代名詞と言える空間に。リラックスして横たわる全長8mのスヌーピーをはじめ様々なポーズを取るスヌーピーたちが人々を迎え、暗転した室内で映像、光、音楽による演出が楽しめる2分間のショー演出は、思わず顔がほころぶプレイフルな世界観を作り出している。
常設展に加え、9月1日までは「旅するピーナッツ。」が開催。シュルツ美術館が所蔵する貴重な本展は、スヌーピーやその仲間たちが旅を楽しむ姿を約45点の貴重な原画とともに紹介する。じつは旅行嫌いで有名だったという原作者のシュルツだが、マンガの中のキャラクターたちは様々な場所で生き生きとした表情を見せ、マンガや空想の中でも旅は十分に楽しめることをシュルツのキャラクターたちは教えてくれるようだ。
また、アメリカでいまよりも人種差別が激しく被差別者として多くの黒人が描かれる時代に、あくまで「友人のひとり」として黒人のキャラクターを描くなど、仲間はずれなしの「ピーナッツ」の世界の魅力が白黒の原画からもカラフルに伝わってくる。
ミュージアムショップやカフェにも「ピーナッツ」の世界観が満載。ミュージアムショップ「BROWN'S STORE」にはぬいぐるみやフィギュアをはじめ、アパレル、ステーショナリー、お菓子など、ここでしか入手できないグッズが集まり、今回のリニューアルでは165点が新発売へ。
スヌーピーミュージアムに隣接する「PEANUTS Cafe」では、スヌーピーのイラストがデザインされたデザートメニューやキッズプレート、原作者のシュルツが好んだツナサンドをイメージしたピクニックボックスなど、見て楽しい食べておいしいメニューが並ぶ。
毎月体験チケットが即完売するという大人気の「ぬいぐるみワークショップ」は、今回のリニューアル以降も引き続き開催。ワークショップではボディ(本体)にペレット(詰め物)や好みの量の綿を入れ、Tシャツや首輪のカラーも選べるオリジナルのスヌーピーを作ることができる。
「スヌーピーミュージアム」に足を運べば、館内のどこを眺めてもそこは「ピーナッツ」の賑やかな世界。誰でも大歓迎の「ピーナッツ」ワールドに迷い込んでみては?
野路千晶(編集部)
野路千晶(編集部)