公開日:2023年8月13日

中銀カプセルタワービルを再活用の「SHUTL」オープンは10月。オープニング「伝統のメタボリズム」は最果タヒ、佐々木俊らが参加の展示シリーズ

松竹が中銀カプセルタワービルのカプセルを再活用。コンセプトは「伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として『未来のオーセンティック』を生み出す」。

完成イメージ。2基のカプセルの間に位置する余白の空間。作品展示やグッズ販売、パフォーマンス、ワークショップなど 多彩な企画を行う

日本を代表する建築家のひとり、黒川紀章(1934〜2007)が設計し、2022年に惜しまれつつ解体された中銀カプセルタワービル。カプセルのうち1基をサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が収蔵したことは今年6月ニュースになったが、そのほかのカプセルも再活用が進んでいる。

松竹株式会社は、中銀カプセルタワービルのカプセル2基を取得・活用し、東劇ビルの隣接地に新スペース「SHUTL(シャトル)」を2023年10月7日にオープン。10月7日、8日の2日間は、SHUTLを誰でも自由に見られる一般開放日として営業する。

外観イメージ

10月13日から2024年春にかけては、オープニング展示シリーズ「伝統のメタボリズム」を開催。SHUTLのコンセプト「未来のオーセンティック」を体現する企画として、伝統という概念そのものを問い直し、新陳代謝を促進するさまざまな表現を3期にわたって紹介する。

オリジナルの内装を残したカプセル内観 撮影:山根かおり

第1期「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」は10月13日〜11月5日に開催。コミュニケーションやアーカイヴにおける基本要素である「言葉」と「文字」の輪郭と変化に着目し、それらがこれからどのような変化を遂げていくのか。そして未来のオーセンティックとなり得る新しいコミュニケーション手段がどのように出現していくのか、伝統が更新される予感の可視化を試みる。

参加作家は、詩の表現ジャンルで多彩な活動を展開する最果タヒ+展示デザインを行う佐々木俊、2010年からSNS上で匿名のアーティストとして活動し、泣き笑いの絵文字を用いた代表作《The Laughing Man》などで知られる松田将英、SHUTLのロゴデザインを手がけ、関西を拠点に国内外にその存在感を発揮するデザイナー三重野龍の3組。

スケルトンのカプセル内観 撮影:山根かおり

第2期「伝統のメタボリズム〜様式からの変容〜」は12月中旬〜2024年1月中旬、第3期「伝統のメタボリズム〜見立て〜」は2024年2月中旬〜3月中旬を予定している。

なお、SHUTLは会場レンタルも実施。収容人数の定員は30名で、展示、映像上映、トークイベント、取材会場、撮影、音楽イベントなどフレキシブルに対応可能とのことで、どのように活用されるか楽しみだ。

SHUTLの敷地内に位置する屋外スペース

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