公開日:2023年8月23日

「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」が、世田谷美術館で11月18日から開催。没後30年を超えた回顧展

倉俣史朗をいま、振り返る。会期は11月18日〜2024年1月28日。巡回展は、富山県美術館で2024年2月17日〜4月7日、京都国立近代美術館で2024年6月11日〜8月18日

倉俣史朗 ショップ「スパイラル」 1990 撮影:淺川敏 © Kuramata Design Office

先駆的なデザインが評価され続ける倉俣史朗。創作の源泉と秘密に迫る

「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」が、世田谷美術館で11月18日から開催される。1960年代以降のデザイン界において、世界的に高い評価を受け、現在も影響を与え続けているインテリアデザイナー・倉俣史朗。56歳という若さで突然亡くなった“伝説のデザイナー”の、これまであまり公開されてこなかった資料も含め、倉俣の業績を回顧する展覧会となっている。

倉俣史朗 ミス・ブランチ 1988 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office
倉俣史朗 ハウ・ハイ・ザ・ムーン 1976 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office

《ミス・ブランチ》(1988)《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》(1986)などを代表作とする倉俣は、従来の家具やインテリアデザインの世界では用いられなかった、アクリル、ガラス、建材用のアルミなどの工業素材に独自の詩情を乗せた。これらの仕事は、とくに1970年代以降、世界的な注目を集めた。1980年以降はイタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加。その中心となったデザイナーのエットレ・ソットサスは、「ほかのデザイナーが電報を打っている時に、シローだけが俳句を詠んでいた」と語っている。

倉俣史朗 アクリルスツール(羽毛入り) 1990 京都国立近代美術館蔵 © Kuramata Design Office
倉俣史朗 抽斗の椅子 1967 富山県美術館蔵 © Kuramata Design Office


展示では作家の内面やその思考の背景による「倉俣史朗自身」をひとつの軸としつつ、その「倉俣史朗自身」と紐づけながら、初期から晩年までの作品が紹介される。プロローグとして、独立前の三愛所属時代の仕事を紹介し、年代を4パートに区切り、倉俣の仕事をテーマごとに見せていく。エピローグでは、イメージ・スケッチと過去あまり公開されてこなかった夢日記や言葉をまとめて紹介し、倉俣史朗のデザインのその先を検証する。

倉俣史朗 スケッチブック「言葉 夢 記憶」より 1980年代 クラマタデザイン事務所蔵 © Kuramata Design Office
倉俣史朗 イメージスケッチ「ミス・ブランチ」 1980年代 クラマタデザイン事務所蔵 © Kuramata Design Office

倉俣自身の言葉も多数紹介され、伝説というヴェールを剥がして、本人に迫っていく。
巡回展は、富山県美術館で2024年2月17日〜4月7日、京都国立近代美術館で2024年6月11日〜8月18日。

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倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙
会期:2023年11月18日〜2024年1月28日
休館日:毎週月曜日および年末年始(12月29日~2024年1月3日)
*ただし、1月8日は開館。1月9日は休館
開館時間:10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)
会場:世田谷美術館
主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、朝日新聞社
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
助成:公益財団法人花王・芸術・科学財団
特別協力:クラマタデザイン事務所
観覧料:一般1200(1000)円、65歳以上1000(800)円、大高生800(600)円、中小生500(300)円
*( )内は20名以上の団体料金。事前に電話でお問い合わせください。
*障害者の方は500円。ただし、小中高大学生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料(予約不要)。
*未就学児は無料(予約不要)。
*高校生、大学生、専門学校生、65歳以上の方、各種手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください。
*ご入館に際しては感染症予防のため手指消毒、検温にご協力ください。館内で充分な距離を保てない場合がありますので、マスクの着用を推奨しています。
*展覧会の会期および内容が、急遽変更や中止になる場合もございます。会期中の最新情報は美術館ウェブサイト等でお知らせします。
*チケット情報:https://www.artpr.jp/setagayaartmuseum/www.e-tix.jp/setagayaartmuseum
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
詳細:https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00216

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