公開日:2023年2月15日

渋谷の工事現場を「未来がはじまる場所」に。パブリックアートプロジェクト「SHIBUYA IN PROGRESS」が始動

KAZUSA MATSUYAMA、三澤亮介、渡部未乃が参加

SHIBUYA IN PROGRESS

工事現場の仮囲いをアートが彩る

渋谷各所の工事現場を「未来がはじまる場所」ととらえ、アーティストがそこに「自らの想像」を重ねるパブリックアートプロジェクト「SHIBUYA IN PROGRESS - 未来のはじまりが、ここにある」2月16日から28日まで開催される。

同企画には、気鋭のアーティスト、KAZUSA MATSUYAMA三澤亮介渡部未乃の3名が参画。

MATSUYAMAは、表情の歪みや抽象的な描写によって、表面的な喜怒哀楽だけではなく本質に潜む美しさを追求する「Anonymous Portraits」(匿名性のある肖像画)シリーズを手がける。作家Instagramはこちら

KAZUSA MATSUYAMA Anonymous Portrait -Daydream-(Boy) #5 2023 910×727mm Acrylic on canvas

総合芸術をバックグラウンドに持つ三澤は、その多角的な視点を平面の肖像画に凝縮。"固定概念のアップデート"をコンセプトに、シームレスにつながる線とその間をパレットのようにさまざまな色合いで埋め尽くしフラットに描き切る構成で生きた線に区切られた美しいカラーパズルが浮かび上がる作品を描く。作家Instagramはこちら。

三澤亮介 ”Say, cheese‼️” 2023 910×1167mm Acrylic on canvas

渡部は、自然と人工、有機と無機、抽象と具象といった対局な関係性の中間に存在する絵画をコンセプトに色鮮やかな油絵を描く。近年は日本橋三越での個展開催、壁画制作や海外アートフェア出展など、精力的に活動を続けている。作家Instagramはこちら

渡部未乃 ”Light shines” 2023 910×2730mm Oil on canvas

かれらが制作した新作11点のイメージは渋谷駅のハチ公口付近と西口付近、そしてマークシティ付近の三か所に設置され、一部は会期終了後も残される。工事現場の仮囲い、柱巻のために制作された各作家の原画作品は、こちらのサイトで購入も可能(抽選申し込み方式)。その売上の一部は今後の渋谷区内でのアートプロジェクトに還元される。

同企画のプロジェクトを推進し、キュレーションも担当するEmbedded Blue代表の片岡奨は意気込みを以下のように語っている。

世界を舞台に活躍する、まさに未来を創っていくアーティストたちと共に、本企画を制作させていただきました。私たちが制作したのは壁面へのアートの設置、ではなく訪れる人々に語りかけ、きっかけをもたらす「体験」です。多くの人が行き交うパブリックな空間でのこの体験が、社会・街・人々に希望を灯すものになることを願っています。「再開発中の渋谷の工事現場」は、本来は日の目をみることのない、苦悩や困難も孕む時間です。そこに光をあてて、前を向く創造的な活動と捉えることで、関わる全ての人にワクワクする未来を感じて欲しいと思いました。今、置かれている状況がうまくいかなかったり、辛いものであったとしても、ここから先は自分自身の手で創っていくことができることは確かです。工事中の渋谷の街も、挑戦を続けるアーティストも同じ時間を過ごしていて、共に明日に期待する。自分もその当事者になれたなら。自身も何かが変わるんじゃないかと思うのです。ぜひ現地に足を運んでいただけると嬉しいです。

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