公開日:2023年6月6日

奇想の絵師・長沢芦雪の大回顧展が大阪中之島美術館で開催! ころころ&きゅんきゅんな子犬の絵など、代表作が生誕270年の年に大集結

大阪初の回顧展「特別展 生誕270年 長沢芦雪―奇想の旅、天才絵師の全貌―」は10月スタート。

長沢芦雪 仔犬図屏風 江戸時代・18世紀 江戸千家 川上宗雪氏蔵 半期展示

代表作、初公開作品など優品がせいぞろい

伊藤若冲、曽我蕭白と共に「奇想の画家」のひとりとして近年国内外から注目を集める長沢芦雪に焦点をあて、 その画業を紹介する回顧展「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ―奇想の旅、天才絵師の全貌―」大阪中之島美術館で開催される。会期は10月7日から12月3日

長沢芦雪 梅花双狗図 江戸時代・18世紀 個人蔵 半期展示

江戸時代中期に京都で活躍した芦雪。卓越した描写力に加えて、奇抜な着想と大胆な構図、また人を驚かせ楽しませようというサービス精神や面白みで、独自の世界を展開し人気を博した。型破りな印象で語られることが多い芦雪だが、小動物など小さきものを描いた数々の作品からは、それらへの慈愛に満ちた眼差しを感じることができる。

長沢芦雪 牛図 寛政年間(1789-1800)前期 鐵齋堂 11月7日~12月3日展示
長沢芦雪 蛸図 天明6-7(1786-87) 個人蔵 半期展示

ころころと転がるような子犬をはじめとしたユーモラスでかわいらしい動物描写は芦雪のトレードマークと言えるが、本展では幽霊を描いた作品や、いかにも人間らしい僧侶2人をワイルドに描いた作品など、「かわいい」とは別の芦雪の姿を示す。また、画家が得意とした障壁画(襖絵)も大量に紹介。西光寺(島根)、無量寺(和歌山)、高山寺(和歌山)、薬師寺(奈良)、大乗寺(兵庫)の襖絵が揃って出品されるのはなんと23年ぶりとなる。

長沢芦雪 幽魂の図 寛政年間(1789-1800)後期 奈良県立美術館 半期展示
長沢芦雪 寒山拾得図 和歌山県指定文化財 天明7(1787) 和歌山 高山寺 半期展示
長沢芦雪 群猿図襖(部分) 重要文化財 寛政7(1795) 兵庫 大乗寺 11月7日~12月3日展示

とにかく絵を描くことが好きで、常に新しい表現や技法を追求した芦雪。亡くなって200年以上経った今も、観る人を魅了してやまないその世界を、代表作・初公開作品を含む優品で巡る、豊かな展覧会となるだろう。

長沢芦雪 降雪狗児図 天明年間(1781-89) 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館 半期展示

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