春の東京の夜を彩るアートイベント「六本木アートナイト2023」の開催が発表された。開催期間は2023年5月27日と5月28日の2日間。通常は街が寝静まる深夜から早朝も含めて、多彩なアートイベントが六本木各所で催される。
今年のテーマは「都市のいきもの図鑑」。自然界の大いなる営みや循環という視点から、都市に生きる命を想像することで意識していなかった多様な繋がりを感じられる作品が展開するという。また今回のメインアーティストに選ばれたのは、栗林隆+Cinema Caravanと鴻池朋子の2組だ。
栗林隆は、東西統合から間もないドイツに滞在した活動初期の頃から「境界」をテーマに大がかりなインスタレーションを中心に多様な作品を発表してきた。その栗林と2009年から共に活動を始めたのがCinema Caravan。かれらは神奈川県逗子市で開催された第一回逗子海岸映画祭のメンバーを中心に発足した、写真家、大工、料理人など多様なメンバーによって構成されるコレクティブで、映画にとどまらず、人や文化を繋ぎ共有体験を生み出す媒体として活動している。
栗林隆+Cinema Caravanとして、2022年のドクメンタ15で発表した《元気炉四号機》も高く評価された。
鴻池朋子は、絵画、彫刻、パフォーマンスなど様々なメディアと、旅によるサイトスペシフィックな表現で芸術の根源的な問い直しを続けるアーティスト。呪術性や土俗性をはらんだキャラクターが登場する表現を経て、近年は美術の外にある事象や営みへと架橋していくような作品・プロジェクトを手がけている。
栗林隆+Cinema Caravanによる全世界のエネルギーとその循環をテーマにした大作は六本木ヒルズアリーナ、鴻池朋子の大型作品は国立新美術館と東京ミッドタウンに登場する。また、気鋭のアーティストらによる展示、デザイン、映像、パフォーマンス、さらにオンラインによるコンテンツも実施予定とのこと。
六本木アートナイト2023
会期:2023年5月27日~28日
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
入場料・視聴料:無料(一部のプログラム及び美術館企画展は有料)