公開日:2022年6月1日

6月スタートの全国おすすめ展覧会! リヒター、イーノ、ソス、名和晃平ら人気作家の個展が多数開催へ

全国で6月にスタートするおすすめ展覧会を紹介。

ゲルハルト・リヒター アブストラクト・ペインティング(952-2) 2017 ゲルハルト・リヒター財団蔵 キャンバスに油彩 200×200cm ©︎ Gerhard Richter 2022(07062022)

6月に全国で開幕する主要な展覧会をピックアップ! 気になる展覧会はTokyo Art Beatのアプリで見逃し防止のブックマークがおすすめ。開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

(仮称)地域交流センター開館記念展
名和晃平 生成する表皮(十和田市現代美術館)

十和田市現代美術館と、十和田市内にて9月に開館する藤本壮介設計の(仮称)地域交流センターにて彫刻家、名和晃平の個展が行われる。
セル(細胞・粒)で世界を認識するという独自の概念を軸に、ガラスや液体などの様々な素材や技法を横断しながら、彫刻の新たな在り方を一貫して追求する名和。本展は、名和の活動の変遷を大学院生時代のドローイングシリーズ「Esquisse」と代表作の「PixCell」、そして新作「White Code」を含む多様な作品シリーズから紹介していく。

名和晃平 PixCell_Saturation#4 2011 ミクストメディア、サイズ可変 提供:SCAI THE BATHHOUSE 撮影:豊永政史|Sandwich 「名和晃平—シンセシス」(2011)展示風景、東京都現代美術館 ※参考画像

会場:十和田市現代美術館(仮称)地域交流センター
会期:6月18日〜11月20日、(仮称)地域交流センターは10月1日〜11月20日
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ゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館)

今年もっとも話題の展覧会のひとつである、アート界のスター、ゲルハルト・リヒターの大規模個展が、東京国立近代美術館でついにスタート(豊田市美術館に巡回予定)。
国内では16年ぶりとなる今回の展覧会では、60年におよぶ画家の歩みを初期作から最近作までを揃えた約110点で概観。リヒター作品の代名詞とも言うべき「アブストラクト・ペインティング」シリーズや、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所がモチーフとなった《ビルケナウ》(2014)は本展の大きな見どころ。

飯田高誉「リヒターと『戦争』。ゲルハルト・リヒターを知るうえで避けて通れない3つのキーワード」

ゲルハルト・リヒター ビルケナウ(937-1) 2014 ゲルハルト・リヒター財団蔵 キャンバスに油彩 260×200cm ©︎ Gerhard Richter 2022(07062022)

会場:東京国立近代美術館
会期:6月7日~10月2日
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クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”(21_21 DESIGN SIGHT)

1935年6月13日、同じ年の同じ日に別々の場所で生まれ、58年秋のパリで運命的に出会い、アーティストとしての活動を始めたクリストとジャンヌ=クロード。都市のランドマークである有名建築を包むなど、彫刻的なアプローチで公共空間に介入するプロジェクトは人々に大きな驚きをもたらしてきた。ふたりの死後実現された、パリで凱旋門を包んだ昨年のプロジェクトは記憶に新しい。
ヴラディミール・ヤヴァチェフをはじめとするクリスト・アンド・ジャンヌ=クロード財団の協力を得て開催される本展では、「包まれた凱旋門」の構想から実現までを新たな体験として提示。これまでの主要な活動も紹介する。

Photo by Benjamin Loyseau © 2021 Christo and Jeanne-Claude Foundation

会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:6月13日〜2023年2月12日

ワニがまわる タムラサトル(国立新美術館)

くるくると回転するカラフルな《まわるワニ》、アルミの棒の先に取り付けられた2枚の生成りの布が、回転して音を立てる《バタバタ音をたてる2枚の布》など、シンプルな機能に特化した機械仕掛けの作品を手がけきたタムラサトルの個展が6月15日スタート。「約12mの巨大なワニを中心に、まわるワニ」のカラフルな彫刻を大型インスタレーション作品として展開する。
同館では、「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」も6月29日に開幕。

会場:国立新美術館
会期:6月15日〜7月18日
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ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode(三菱一号館美術館)

「20世紀でもっとも影響力の大きい女性デザイナー」とも呼ばれるシャネルの創始者、ガブリエル・シャネル(1883~1971)。ガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催されたGabrielle Chanel. Manifeste de mode展を日本向けに再構成した本展では、実際のドレスやスーツ、当時の記録映像などを通して鑑賞者をシャネルのクリエーションの魅力へと誘う。

会場:三菱一号館美術館
会期:6月18日~9月25日
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津田青楓 図案と、時代と、(松濤美術館)

明治30年代に京都で多くの図案集を出版し、大正時代には夏目漱石らの本の装幀も手がけた津田青楓(せいふう)を軸に、図案集と図案に関する作品を紹介する展覧会。工芸品の下絵としてとらえられがちな「図案」が「絵画」とも異なる美術家の作品へと昇華された後の世界を楽しめる。

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:6月18日~8月14日
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蜷川実花 瞬く光の庭(東京都庭園美術館)

鮮やかで独特な色彩感覚で写真、映像、映画作品などを幅広く手がけてきた蜷川実花の個展が行われる。 本展ではコロナ禍の国内各地で昨年から今年にかけて植物園や庭園で撮影された、 最新の植物の写真と映像を展示。蜷川が現在強く惹かれているという光にあふれた「色光彩」の世界を通して、新機軸を見せる。

©︎ mika ninagawa Courtesy of Tomio Koyama Gallery

会場:東京都庭園美術館
会期:6月25日〜9月4日
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地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング(森美術館)

パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか? 心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か? こうしたことを、インスタレーション、彫刻、映像、写真、絵画などの現代アートに込められた多様な視点を通して考える。出品作家はエレン・アルトフェスト、青野文昭、モンティエン・ブンマー、ロベール・クートラス、堀尾昭子、堀尾貞治、飯山由貴、小泉明郎、オノ・ヨーコら16組。
本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノのインストラクション・アートから引用したもの。

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション 8分40秒 Courtesy:Monitor, Rome; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine, New York 撮影:ベン・ゲラーツ

会場:森美術館
会期:6月29日~11月6日
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これってさわれるのかな?―彫刻に触れる展覧会―(神奈川県立美術館 鎌倉別館)

つい触れたくなるが、通常は触れることのできない美術館展示室の彫刻作品。この展覧会では、神奈川県立美術館のコレクションのなかから触れられる彫刻作品24点を選び、「人のかたちにさわってみよう」、「浮彫にさわってみよう」、「何をあらわしているのかな?」、「図形のようなかたちにさわってみよう」、「音をきいてみよう」という5つのコーナーに展示。かたち、質感、温度など、対象に触れることによって得られる新鮮な感覚を楽しみたい。

保田春彦 イポゲイオンβ(古代の墓) 1975 神奈川県立近代美術館蔵 Photo:© 上野則宏

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:6月11日~9月4日
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アレック・ソス「Gathered Leaves」(神奈川県立美術館葉山館)

アメリカの現代写真を牽引するアレック・ソス(1969- )の日本の美術館で初の個展が行われる。ミネソタ州ミネアポリスを拠点に緻密なプロジェクトとして旅を重ね、ドキュメンタリー・スタイルの伝統を継承しながらも独自の詩的な静謐さを湛えたソスの作品は、高い国際的評価を受けてきた。本展は初期から最新作まで、アメリカを主題とする代表的な5つのシリーズから、国際巡回中の同名展とは異なる日本展独自のセレクションによりイメージとコンセプトの連関を探る。

アレック・ソス チャールズ、ミネソタ州ヴァーサ 『スリーピング・バイ・ザ・ミシシッピ』より 2002 © Alec Soth

会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:6月25日~10月10日
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兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~(静岡県立美術館)

紀元前221年に、史上初めて中国大陸に強大な統一国家を打ち立て、春秋戦国時代にわたって約550年も続いた戦乱の世を終結させた秦の始皇帝。統一後、わずか十数年のうちに秦は滅亡したが、始皇帝陵で発見された兵馬俑をはじめとした多くの遺物は、その絶大な国力を示している。本展では地下に数多く埋蔵された兵馬俑に焦点を当て、古代中国の遺産の数々を紹介。静岡県立美術館の後は名古屋市博物館、上野の森美術館にも巡回予定。

会場:静岡県立美術館
会期:6月18日~8月28日
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機能と装飾のポリフォニー(豊田市美術館)

西欧を中心に日本を含む世界各地で様々なモダンのかたちが現われた1910〜30年代。本展ではウィーン工房、ソニア・ドローネー、バウハウスなどをキーワードに急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンのかたちを紹介する。

会場:豊田市美術館
会期:6月7日~9月4日
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BRIAN ENO AMBIENT KYOTO(京都中央信用金庫 旧厚生センター)

アンビエント・ミュージックの創始者として知られ、ヴィジュアル・アート、アクティヴィズムの分野でも活躍するブライアン・イーノ。彼にとってコロナ禍以降初となる大規模個展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO(ブライアン・イーノ ・アンビエント・キョウト)」が「京都中央信用金庫 旧厚生センター」で6月3日から開催される。代表作に加え、世界初公開作品も登場。

ブライアン・イーノ The Ship

会場:京都中央信用金庫 旧厚生センター
会期:6月3日~2022年8月21日
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