ロバート・ファレン ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット) 1850頃 キャンバスに油彩 190×268cm ケンブリッジ大学セジウィック地球科学博物館蔵 © 2022. Sedgwick Museum of Earth Sciences, University of Cambridge. Reproduced with permission.
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ルーブルの名品が東京へ。本展で公開されるのは、膨大なルーヴル・コレクションからセレクトされた、「愛」をモチーフとする作品たち。18世紀フランス絵画の至宝ともいうべきジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》、フランス新古典主義の傑作であるフランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》をはじめ、74点の名画が揃う。詳細はニュースをチェック。なお本展は、6月に京都市京セラ美術館へ巡回予定だ。
会場:国立新美術館
会期:3月1日〜6月12日
石川県金沢市の国立工芸館では、「ポケモンと工芸」という異色の組み合わせの展覧会がスタート。一見意外な発想だが、ポケモンがもつ「土」「炎」「電気」といったタイプは、工芸の原材料や製造工程で必要となるエネルギーと共通するものがあったり、収集や交換といったシステムもまた、工芸にかける作り手や愛好者の想いと重なるところがある。ポケモンアートプロジェクトの第2弾である本展は、日本を代表する工芸作家とのコラボレーションによる、可能性に満ちた企画だ。
会場:国立工芸館
会期:3月21日~6月11日
京都を代表する禅寺のひとつである東福寺。本展は、その寺宝をまとめて紹介する初の機会だ。「画聖」とも呼ばれる絵仏師・明兆による記念碑的大作「五百羅漢図」全幅が修理を経て初公開されるほか、応仁の乱による戦火を免がれた貴重な文化財の数々、特大サイズの仏像や書画類など、優品が勢揃いする。10月には京都国立博物館へ巡回予定だ。
会場:東京国立博物館
会期:3月7日〜5月7日
「アートフェア東京」は、古美術から現代アートまで、幅広い作品が展示される日本最大級の国際的なアートフェア。今年で17回目を迎える。展示セクションは「ギャラリー」「クロッシング」「プロジェクト」から構成され、海外の7軒をふくむ144軒のギャラリーが一堂に集結する。
会場:東京国際フォーラム
会期:3月10日〜3月12日
作家主導のアートフェアとして知られる「ARTISTS' FAIR KYOTO」は、今年で6回目。3月4日、5日に開催される。アーティストが出品作家を推薦する「アドバイザリーボード」には新たに池上高志、小谷元彦、やなぎみわを迎えるほか、会場にも名勝庭園「渉成園(枳殻邸)」(しょうせいえん・きこくてい)が新たに加わった。40組の出品アーティストなど、詳細はニュースをチェック。
会場:京都府京都文化博物館
会期:3月4日〜3月5日
開館70周年を記念して開催される本展は、明治以降の絵画・彫刻・工芸のうち、重要文化財に指定された作品のみを公開する豪華な展覧会。各作品が重要文化財に指定されるまでの評価の変遷を追う「傑作の美術史」も紹介される。重要文化財の同時公開という、またとないチャンス。これを機に、日本の近代美術の魅力を再発見できるはず。
会場:東京国立近代美術館
会期:3月17日〜5月14日
本展は親鸞の求道と伝道の生涯を、自筆の名号・著作・手紙をはじめ、彫像・影像・絵巻など、浄土真宗各派の寺院が所蔵する法宝物が一堂に会する特別な展覧会。親鸞の生涯や彼が師事した高僧、門弟などトピックごとに分けられた構成のもと、国宝11件、重要文化財約70件を含む豪華な出展作品に注目したい。
会場:京都国立博物館
会期:3月25日~5月21日
3月18日にリニューアルオープンする広島市現代美術館では、記念特別展「Before/After」が開催。建物の改修工事を契機とする「前/後」をひとつの足がかりとして、様々な「前」と「後」に着目する本展は、広島平和記念資料館に収蔵される被爆者たちの衣服を撮影するプロジェクトに取り組む石内都や、新しく購入されたシリン・ネシャットの作品などが公開される。ほかの出展作家など、詳細はニュースをチェックしてほしい。
会場:広島市現代美術館
会期:3月18日~6月18日
山城知佳子は写真と映像を軸に、沖縄が抱える政治、社会、文化、自然環境といった多様な問題を解読し、長期的な視野をもって過去から現在までをつなげた物語性の高い作品を制作してきた。本展は、現代に新たな読みを与える近作および新作を中心に、初期の作品も参照しつつ山城の作品世界に迫る。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:3月21日〜6月4日
恐竜展と聞くと化石や原寸大の模型を思い浮かべがちだが、本展は資料をもとに古代生物を描いた「パレオアート」に注目。20世紀に活躍した恐竜画の2大巨匠チャールズ・R・ナイトとズデニェク・ブリアンによる記念碑的作品、漫画・おもちゃなどのサブカルチャーからファインアート、さらには近年の研究に基づく現代恐竜画まで公開される。詳細はニュースをチェック。
会場:兵庫県立美術館
会期:3月4日〜5月14日
「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」は東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)による、中堅アーティストを対象とした現代美術賞。第3回の受賞者は、ともに東北地方を拠点に活動する志賀理江子と竹内公太。志賀は東日本大震災後の復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとしてとらえ直した作品を、竹内は第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチをもとに、過去の出来事ーアーティストー鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する。昨年10月に公開した志賀へのインタビューもぜひチェックしてほしい。
会場:東京都現代美術館
会期:3月18日〜6月18日
日本写真の黄金時代である1960〜70年代に、荒木経惟や森山大道らとともに頭角を表した深瀬昌久は、写真を通じて「私性」と「遊戯」を追求してきた。本展は、彼の代表的な写真集『鴉』(1986)に収められた作品など、同館のコレクションを中心に、その人物像や表現の特異性に迫る回顧展だ。
会場:東京都写真美術館
会期:3月3日〜6月4日
フランス北西端のブルターニュは、19世紀後半から20世紀にかけて各国の画家たちが訪れ、多くの作品が制作された地域。本展は国立西洋美術館の「松方コレクション」を中心に、国内美術館や個人コレクションおよそ30か所からブルターニュを表した作品約160点が選定・公開される。画家たちがこの地に何を求め、見出したのかを探ると同時に、ブルターニュを訪れた日本の画家たちにも注目する。
会場:国立西洋美術館
会期:3月18日〜 6月11日
ヘザウィック・スタジオは1994年にロンドンで設立されたデザイン集団。本展は、その28件の主要プロジェクトが紹介される国内初の展覧会だ。「ひとつになる」、「みんなとつながる」、「彫刻的空間を体感する」、「都市空間で自然を感じる」、「記憶を未来へつなげる」、「遊ぶ、使う」の6つの視点を通じて、人間の心を動かす優しさ、美しさ、知的な興奮、そして共感をもたらす建築とは何かを探る。詳細はニュースをチェック。
会場:六本木ヒルズ 東京シティービュー
会期:3月17日〜6月4日
本展は「The Original」という言葉を、世の中に深く影響を与えるデザインと定義。たんなる「起源」としてではなく、多くのデザイナーを触発するような、根源的な魅力と影響力を備え、そのエッセンスが後世にまでつながるプロダクトが紹介される。本展ディレクターの土田貴宏、企画原案の深澤直人、企画協力の田代かおるによって選ばれた、家具や食器、テキスタイル、玩具など、100点以上が展示される。詳細はニュースをチェック。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:3月3日〜6月25日
南仏は、かつて芸術家が景勝地や巨匠たちの作品を求めて、パリからイタリアへ留学や旅行する際などの中継地とみなされていたものの、19世紀末以降、ヴァンスやニース、マルセイユなど、多くの作家が制作の場所として選ばれるようになった。本展は、そうした20世紀の芸術が展開した場としての南仏に注目する企画展。セザンヌやシャガール、マティス、など、国内の美術館の所蔵品を中心に、およそ30作家による150点ほどの作品が展示される。
会場:DIC川村記念美術館
会期:3月11日〜6月18日
開館5周年を迎える富山県美術館では、日本を代表する版画家・棟方志功の個展が開催。2023年、棟方が生誕120周年を迎えるにあたり、創作の拠点とした青森、東京、富山の3つの地域の美術館(同館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)による協力のもと企画された。本展では、棟方と各地域の関わりを軸に、板画、倭画、油彩画といった様々な領域を横断しながら、本の装丁や挿絵、包装紙などのデザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたるまで、時代特有の「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた棟方の多岐にわたる活動に焦点が当てられる。
会場:富山県美術館
会期:3月18日〜5月21日
本展は、地球環境への意識の高まりやテクノロジーの進化などをテーマに据えたグループ展。企画・監修者にデザインを軸としてリサーチと思索を重ねてきた川上典李⼦を迎え、石塚源太や井上隆夫、GO ON、長谷川絢、目[mé]など、1970年代、1980年代生まれを中心に20組の作家、コレクティヴの作品を取り上げる。
会場:京都市京セラ美術館
会期:3月9日〜6月4日
ラテンアメリカでは、民衆のつくる洗練された手工芸品を民衆芸術(スペイン語におけるアルテ・ポプラル Arte Popular)と呼ぶ。本展は、北はメキシコから南はアルゼンチンまで、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティヴの作品まで、約400点を展示。特別展ではラテンアメリカの民衆芸術の多様性を、先コロンブス時代以来の歴史や、制作者の批判精神の観点から紐解くことを試みる。
会場:国立民族学博物館
会期:3月9日〜5月30日
イラストレーター、グラフィックデザイナーとして広く知られる和田誠の全貌に迫る展覧会が岡山県へ巡回。和田は装丁家や映画監督、エッセイスト、作曲家、アニメーション作家、アートディレクターなど多岐にわたって活動した。誰もが聞いたことはありながらも、なかには意外な仕事もあるはず。知っているようで知らなかった和田誠にぜひ注目したい。東京での展示の様子はフォトレポートからチェックしてほしい。
会場:岡山県立美術館
会期:3月24日〜5月7日