4月に開幕する全国の主要な展覧会をピックアップ! 気になる展覧会はTokyo Art Beatのアプリで見逃し防止のブックマークがおすすめ。開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
20世紀の美術史を代表するフランスの画家、アンリ・マティス。本展は、国内では約20年ぶりとなる大規模回顧展。世界最大のマティス・コレクションを有するポンピドゥー・センターの協力を得て開催される。絵画に加えて、彫刻、素描、版画、切り紙が展示されるほか、晩年の傑作と言われる南仏・ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の内部を収めた4K映像の上映も発表された。展覧会の詳細はニュースをチェック。
会場:東京都美術館
会期:4月27日〜8月20日
京都を舞台に、国内外の写真家作品を紹介してきた「KYOTOGRAPHIE」。今年は「BORDER」というテーマのもと、境界線が何を隔て、あるいは人類の進歩とどう関係するのか模索する。参加作家はマベル・ポブレット、高木由利子、ボリス・ミハイロフ、セザール・デズフリ、ジョアナ・シュマリ、山内悠、山田学、松村和彦、ココ・カピタン、ロジャー・エーベルハルト、デニス・モリス、パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール、石内都、頭山ゆう紀など。京都文化博物館や両足院から商店街やギャラリーまで、街に歴史が残る京都ならではの会場で豪華な写真作品を楽しみたい。会場ごとの展覧会情報は、eventページの#KYOTOGRAPHIEをチェック。
会場:京都文化博物館、出町柳商店街ほか
会期:4月15日〜5月14日
本展は、世界にある「わからない」を探求し、人々の固定観念をクリエイティブに越えていこうとする現代アーティストたちの活動を紹介。現代アートを学校の「美術」「図画工作」といった科目から解放し、「世界」について学ぶあらゆる科目に通底する領域として定義を試みる。出展作家には、アイ・ウェイウェイ、青山悟、ヨーゼフ・ボイス、藤井光、畠山直哉、スーザン・ヒラー、奈良美智、ヤン・ヘギュなど。詳細はニュースをチェックしてほしい。
会場:森美術館
会期:4月19日〜9月24日
タイトルが目を引く本展は、アメリカの作家アレックス・ダ・コルテによる、国内初の個展。ダ・コルテはこれまで、イメージや認識、記憶について探求する作品を発表してきた。本展では、映像作品の公開が中心。なじみのキャラクターやアイコンによるポップさと、現実の陰鬱さや空虚さが共存するミステリアスな作品に注目したい。
会場:金沢21世紀美術館
会期:4月29日〜9月18日
開館1周年を迎える大阪中之島美術館では、15年ぶりとなる佐伯祐三の大規模個展が開催。佐伯は大阪府出身の画家。パリ滞在時に制作された、繊細で踊るような線描の風景画で知られている。本展では、同館が所有する豊富な佐伯コレクションを中心に、代表作を公開。同日からは「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」もスタート。合わせて足を運んではいかがだろうか。
会場:大阪中之島美術館
会期:4月15日〜6月25日
青森県の弘前れんが倉庫美術館では、大巻伸嗣の個展がスタート。大巻は、空間全体をダイナミックに変容させ、観る人を異世界に誘うような幻想的なインスタレーションやパブリックアートを手がけてきた。本展では、近年の代表作のひとつ「Liminal Air Space-Time」シリーズを筆頭に、新作インスタレーションが紹介される。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:4月15日〜10月9日
同じ青森県内に所在する八戸市美術館では、「美しいHUG!」と題されたグループ展がスタート。本展は、同館が掲げるコンセプト「出会いと学びのアートファーム」を体現する企画として、様々な立場の人が、作品を通じてハグをするように出会うことを試みる。ゲストキュレーターは森司。参加作家は青木野枝、井川丹、川俣正、きむらとしろうじんじん、黒川岳、タノタイガの6名だ。
会場:八戸市美術館
会期:4月29日~8月28日
昨年、香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された今井俊介の個展が、東京オペラシティアートギャラリーへ巡回。今井は鮮やかなストライプが印象的な絵画シリーズで知られる。具象と抽象、平面と立体、アートとデザインという境界を軽やかに行き来してきた今井の全貌に迫る。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館でのフォトレポートはこちら。
会場:東京オペラシティアートギャラリー
会期:4月15日〜6月18日
東京都立川市のPLAY!では、詩人・谷川俊太郎の絵本に注目する展覧会がスタート。谷川は1960年代から現在まで、様々な絵描きや写真家と協働して、バラエティ豊かな絵本を制作してきた。本展では、約20冊の絵本が取り上げられ、原画をはじめ、絵や言葉が動き出す映像、朗読や音、巨大な絵巻や書き下ろしのインスタレーション作品などが展示される。
会場:PLAY!
会期:4月12日〜7月9日
太田記念美術館は、猫を題材とする浮世絵をピックアップ。浮世絵に登場する様々な動物のなかで、ペットとしてもっとも多く登場するのは、じつは猫だという。本展では、歌川国芳の名品を筆頭に、歌川広重や月岡芳年らの優品、さらには子供向けの「おもちゃ絵」など、猫が描かれた作品が多数公開される。
会場:太田記念美術館
会期:4月1日~5月28日
本展は、『ファンタスティック Mr.FOX』、『グランド・ブダペスト・ホテル』などで知られる映画監督、ウェス・アンダーソンの写真展、ではない。紹介されるのは、彼の映画で登場しそうな風景を集めたムーヴメント「AWA(Accidentally Wes Anderson)」の写真作品だ。世界各地を巡る旅を疑似体験できるように構成され、300点余りの写真が、旅に関する10のキーワードのもと展示される。詳細はニュースをチェック。
会場:寺田倉庫G1ビル
会期:4月5日~5月26日
不思議な世界観と、モノトーンの緻密な線描で知られる絵本作家エドワード・ゴーリー。日本でも、『うろんな客』『不幸な子供』などの絵本で知られているいっぽう、挿絵、舞台と衣装のデザイン、演劇やバレエのポスターなど多岐にわたって活躍した。本展は「子供」「不思議な生き物」「舞台芸術」などのテーマを軸に、約250点の作品が紹介される。
会場:渋谷区立松濤美術館
会期:4月8日〜6月11日
千葉市美術館では、4人の作家を手がかりに、昭和期日本の、写真表現を紹介する展覧会が開催。写真におけるシュルレアリスムを説いた瀧口修造、瀧口とともに「前衛写真協会」を設立した阿部展也、ふたりに魅了され「なんでもない写真」というシリーズを手がけた大辻清司、大辻の愛弟子である牛腸茂雄。昭和という時代のなかで、4人の作家が作り上げた「前衛」に迫る。
会場:千葉市美術館
会期:4月8日〜5月21日
同じく千葉県に所在する市原湖畔美術館では、末盛千枝子と彼女の家族に焦点を当てた展覧会がスタート。日本を代表する彫刻家・舟越保武の長女として生まれた千枝子は、絵本作家としての活動のほか、上皇后美智子の講演録の編集者としても知られている。本展では、末盛が手がけた絵本の原画や資料とともに、舟越家の人々の作品なども展示される。
会場:市原湖畔美術館
会期:4月15日~6月25日
戦後日本の彫刻史に大きな足跡を残した彫刻家・佐藤忠良。その回顧展が、神奈川県立近代美術館 葉山に巡回する。本展では、具象彫刻《群馬の人》と《帽子・夏》、挿絵を手がけた『大きなかぶ』という代表作に注目。各年代の作品や、佐藤が蒐集した西洋美術コレクションが公開される。
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:4月22日~7月2日
鎌倉別館では、音楽家・吉村弘の回顧展がスタート。環境音楽の国内での普及や公共空間の音響デザイン、美術館でのワークショップなど、吉村は多岐にわたって活動を展開した。本展では、初期のコンクリートポエトリー、楽譜、写真、映像作品、サウンドオブジェ、モビールなど、作品や資料からその活動の全貌に迫る。
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:4月29日~9月3日
岩手県立美術館では、仏像のなかでも「民間仏」に焦点を当てた展覧会が開催される。民間仏とは、仏師ではない人が造った尊像のことで、ユニークなかたちが印象的だ。本展は、これまで注目されてこなかった北東北の民間仏約130点を集め、その魅力を紹介するとともに、日本における信仰と造形の関係を問い直す。
会場:岩手県立美術館
会期:4月8日〜5月21日
福島県耶麻(やま)郡に所在する諸橋近代美術館では、シュルレアリストとして知られるサルバドール・ダリと、彼を撮影した写真家フィリップ・ハルスマンの展覧会がスタート。ハルスマンは俳優や政治家、科学者など、数多くの著名人を撮影してきており、その写真は『ライフ』誌など、世界中の雑誌の表紙を飾ってきた。本展では、数十年にわたる交流のなかで、ハルスマンとダリが共同制作した写真が多数公開される。
会場:諸橋近代美術館
会期:4月20日〜6月25日
昨年11月、愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」内にジブリパークが開園し、話題を呼んだ。本展は、そのジブリパークの制作現場を指揮した宮崎吾朗の仕事と作品を振り返る展覧会。長野県立美術館での展示の様子を収めたフォトレポートはこちら。なお、本展は事前予約制のため、訪れる際は事前にウェブサイトをチェックしておきたい。
会場:神戸市立博物館
会期:4月15日〜6月25日
福岡県太宰府市にある九州国立博物館では、ガラス工芸に関する展覧会がスタート。紀元前から続くガラス工芸の歴史を概観しつつ、特にエミール・ガレとドーム兄弟を中心とする、ガラス工芸におけるアール・ヌーヴォーに注目する。
会場:九州国立博物館
会期:4月18日~6月11日