公開日:2023年6月8日

国立西洋美術館の知られざる裏側を描くドキュメンタリー。映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』が7月公開へ

6000点の作品を所蔵し、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇る国立西洋美術館にカメラが密着。7月15日(土)、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー。

映画『わたしたちの国立西洋美術館』より ©︎ 大墻敦

2022年4月、約1年間の休館を経てリニューアルオープンした国立西洋美術館。休館の理由はル・コルビュジエが構想した創建当時の姿に近づける整備のためだったが、そのあいだ密着取材が行われていたのをご存知だろうか。

7月15日、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショーの映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』は、1年半の長期にわたって普段は見ることのできない館の内部にカメラが潜入したドキュメンタリー映画だ。

映画『わたしたちの国立西洋美術館』より ©︎ 大墻敦

フランス政府から日本へ寄贈返還された「松方コレクション」を基礎に、モネの《睡蓮》をはじめルノワール、ピカソ、ゴッホなどの名画6000点の作品を所蔵し、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇る国立西洋美術館。本作は、そのリニューアル工事のために行った所蔵作品の“お引越し”の全貌を記録したほか、絵画や彫刻の保存修復作業、コレクションの調査研究や国内・海外の美術館への巡回展、特別展の企画開催など、知られざる美術館の舞台裏に迫った。監督は、2015年に開催され大きな話題を呼んだ「春画展」(永青文庫)の内幕を描いた映画『春画と日本人』の大墻敦(おおがき・あつし)だ。

映画『わたしたちの国立西洋美術館』本ヴィジュアル

劇中では、前庭に設置されていた《考える人》が台座から外され、梱包材で梱包され運ばれる様子、ロダンの彫刻《カレーの市民》がクレーンで空高く宙吊りになる光景、そうそうたる名画が揃う通常非公開の収蔵庫の内部など、貴重なシーンが次々と登場する。

「美」を守り伝えることに奔走し、尽力する人々の情熱と多岐にわたる活動。絢爛たる傑作の数々が目を楽しませるいっぽう、関係者へのインタビューからは、日本の文化行政が抱える難問と美術館の目前に迫る危機的状況も見えてくる。

アートファンなら今年ぜひ見ておきたい一作と言えそうだ。

なお、全国の上映劇場で販売される前売り券を購入すると、先着限定特典として映画オリジナルクリアファイルがプレゼントされる(一部劇場を除く)。デザインは、第二次世界大戦中に所在不明となり、約60年ぶりに発見されて話題を呼んだモネの大作《睡蓮 柳の反映》か、梱包材に包まれた《考える人》の2種。

ドキュメンタリー映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』
アフタートーク付き試写会に10組20名様をご招待!

日程:6月23日(金)
18:00 開場 18:30 開映 20:15 上映終了、アフタートーク 20:45 終了予定 
上映時間:105分
トークゲスト:川瀬佑介(国立西洋美術館主任研究員)、Tak(「青い日記帳」主宰/アートブロガー)
場所:渋谷イメージフォーラム3階「寺山修司」(渋谷区渋谷2-10-2 シアター・イメージフォーラム建物内)
申込締切:6月16日(金)*応募者多数の場合は抽選を行い、当選者の方のみ、ご招待のメールをお送りいたします。
申込フォーム

映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』
製作・監督・撮影・録音・編集:大墻敦
録音・照明:折笠慶輔
録音:梶浦竜司
カラーグレーディング:堀井威久麿
音楽:西田幸士郎
演奏:閑喜弦介(クラシックギター)多久潤一朗(アルトフルート)
音楽録音・リレコーディング:深田晃
技術協力:KIN 大石洋平 宮澤廣行
協力:国立西洋美術館
配給宣伝:マジックアワー
2023年/日本 /105分
©︎ 大墻敦
公式サイト

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