公開日:2022年12月28日

2023年のアートはじめは何を観る? お正月に見られる展覧会や特別イベントを紹介!

静嘉堂文庫美術館、東京国立博物館、慶應義塾ミュージアム・コモンズの展覧会などを紹介

五世大木平藏  《木彫彩色御所人形》のうち「宝船曳」 昭和14(1939) 静嘉堂文庫美術館蔵   

うさぎ年の幕開けにふさわしいうさぎづくしの展覧会

2022年もまもなくおしまい。新たな気持ちで迎える2023年は、どんな一年になるだろう? そしてどんな展覧会を見に行こう? 2023年の幕開けと共に見られるお正月らしい展覧会、新年のアートイベントを紹介!

静嘉堂文庫美術館 開館記念展Ⅱ「初春を祝う―七福うさぎがやってくる!」

2022年秋に東京丸の内の明治生命館に移転した静嘉堂文庫美術館では「静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅱ初春はつはるを祝う ―七福うさぎがやってくる!」が、1月2日から2月4日まで開催。

卯年生まれだった岩﨑小彌太(三菱第4代社長)の還暦を祝い、京人形司の老舗・丸平大木人形店の五世大木平藏が制作した《木彫彩色御所人形》は、福をはこぶ七福神と童子たち、兎の冠を戴く総勢58体の御所人形の一大群像。衣装や持ち物、乗り物などを含め、すべてが木彫彩色で精巧に仕上げられた七福神を中心とした人形たちが、笑みをたたえて寿ぎの宴を繰り広げる、賑々しい大作だ。

酒井抱一 《絵手鑑》 全72図のうち「富士山」 江戸時代・19世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

このほかにも与謝蕪村池大雅酒井抱一らの江戸絵画、横山大観らの近代日本画、新年を寿ぐにふさわしい宴の器まで、吉祥性にあふれた作品が並ぶ。

博物館に初もうで

東京国立博物館ではお正月の恒例企画「博物館に初もうで」1月2日から29日まで開催。「特集 兎にも角にもうさぎ年」と題して、愛玩用あるいは狩猟の対象として長い年月を人間とともに過ごしてきたうさぎを造形した東アジアの作品に注目し、「兎に角うさぎ」「月のうさぎ」「波に乗るうさぎ」「うさぎはどこだ」「うさぎと人と」の5つの切り口で紹介する、うさぎづくしの展覧会だ。

染付水葵に兎図大皿 伊万里 江戸時代・19世紀 平野耕輔氏寄贈 東京国立博物館蔵
吉例 兎の年礼噺 蓮池堂画 明治5(1872) 東京国立博物館蔵

展覧会のほかにもミュージアムショップでの美術図書バーゲンセール(1月2日、3日のみ)寛永寺根本中堂の特別参拝(1月2日と3日の10:00〜15:00)などの特別イベントも開催される。同館ホームページをチェックして、ぜひ足を運んでほしい。

水晶の兎 水晶 泉鏡花コレクション 三田メディアセンター(慶應義塾図書館)

開催日はお正月から少し外れるが、うさぎつながりということで慶應義塾ミュージアム・コモンズ1月10日から2月9日に開催される「うさぎの潜む空き地 鏡花のお気に入りたち」も紹介。

文化財を巡る活動を行う三田キャンパスの7つの部門から、うさぎにまつわる様々な作品を集めた同展では、かわいいけど少し怖いうさぎの世界に加え、自身の向かい干支でもあったうさぎを愛した泉鏡花のコレクションを紹介。母親からお守りとして贈られ、生涯大事にした水晶の置物などを展示する。

『閑暇のための動物奇態図譜』 マイアー著 1752  荒俣宏旧蔵博物誌コレクション 三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
かちかちやま Y. Nishinomiya 発行 1886 三田メディアセンター(慶應義塾図書館)

このほかにも、新年らしい催しはまだまだある。

東京都美術館のミュージアムショップでは、アートグッズを入れた様々な福袋を販売。お得なアートバラエティセット(11,000円、限定10個)、エジプトセット(5,500円、限定5個)、ハローキティセット(5,500円、限定5個)など、バラエティ豊かな福袋を用意している。これらの予約販売は12月28日に開始しているので、売り切れの際はご容赦を!

東京都美術館ホームページより(https://hmm.tobi-museumshop.com/blog/2022/12/26/153241)

印刷博物館では、1月4日より同館の図録3冊(合計6,000円以上)をランダムに入れたB品図録福袋を1,100円で販売。長期在庫のため、折れや傷、汚れなどのあるものが入っているとのことだが、人気の図録をゲットできるチャンスかも?

紹介したもの以外にも、SNSなどでは全国各地の新年特別企画の情報が発信されている。「新年」「美術館」などでツイート検索してみて、2023年のアートはじめを楽しみたい。

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