武蔵野美術大学 公式サイト https://www.musabi.ac.jp/news/20240711_03_02/
武蔵野美術大学が2025年度より導入した「留学生修学環境整備費」に対し、在学生を中心とする有志団体が反対の意思を表明している。同団体「武蔵美修学環境整備費反対の会」は、学内外の賛同者とともに、4月5日付で学校法人武蔵野美術大学理事長および学長に宛てた要望書および公開質問状を提出した。内容は、同団体が運営する公式サイトにて公開されている。
問題となっているのは、留学生を対象に新設された「修学環境整備費」と称する費用。この費用は年間36万3000円にのぼり、学費とは別に徴収される。大学側は「日本語教育や生活支援体制の充実」を名目に掲げる。団体は、その具体的な内容や運用方法について詳細が示されていないことや、当事者である留学生への事前説明や協議が十分になされなかったと批判している。
団体は、昨年7月の発表以降費用新設の撤回を求めてきたが、今年度の施行に際し、説明会の実施、資料の公開、留学生へのヒアリングの実施を改めて求めている。提出された要望書では、制度の内容が学内における情報共有を欠いていること、国際的な教育機関としての公平性を損なう恐れがあることなどが指摘されている。
同封された署名に加え、アーティスト、教育関係者、在学生・卒業生らからの賛同文も寄せられた。大学側への公開質問状は、4月24日を回答期限としており、同会はその回答内容を踏まえ今後の対応を検討するとしている。
日本における国際的な教育環境の整備が求められるなか、本件は学費制度と留学生支援をめぐる議論に一石を投じる事例となりそうだ。