公開日:2025年1月7日

「ルネ・ラリックのファッション図鑑」が箱根ラリック美術館で3月開幕。図鑑をめくるように、アール・ヌーヴォーの服飾を知る

会期は3月22日〜11月30日。箱根ラリック美術館所蔵のラリック作品をファッションの観点で選定し、図鑑形式で紹介

「ルネ・ラリックのファッション図鑑 アール・ヌーヴォーの服飾がわかる18のアイテム」ヴィジュアル

ルネ・ラリックが手がけた服飾アイテムが一堂に

ルネ・ラリックの没後80年と、箱根ラリック美術館の開館20周年を記念した展覧会「ルネ・ラリックのファッション図鑑」が、箱根ラリック美術館で開催される。会期は3月22日〜11月30日。

アール・ヌーヴォーとアール・デコの時代に活躍し、ジュエリーとガラスの両分野で足跡を残したルネ・ラリック(1860〜1945)。19世紀末から20世紀初頭、独創的なジュエリー作家としてフランス国外にもその名を知らしめていたが、彼が手がけた作品は幅広く、飾り襟やハンドバッグなど多様な服飾品を数多く残している。

コサージュブローチ《バラ》 1902-1904頃
ハンドバッグ《フジとクワガタソウ》 1901-1903頃

1900年のパリ万国博覧会で、ラリックはジュエリー部門の総責任者を務めている。当時ファッション部門の責任者であったデザイナーのジャンヌ・パキャンらがリードした女性のモードは、流行の装飾様式アール・ヌーヴォーと調和する曲線的なラインのドレスだった。流行が一転して直線的なアール・デコに移った頃には、ラリックはインテリアを中心としたガラス製品の量産に舵を切っていたが、デビュー初期に集中していたオーダーメイドの服飾品は、細いウエストにエレガンスを求めたアール・ヌーヴォーの装いと符合するものだ。

ブローチ《樹冠の中の女》 1900-1902頃
ネックレス《スカラベ》 1912

本展では、箱根ラリック美術館が所蔵するラリックの作品をファッションの視点からピックアップ。服飾の歴史にまつわるエピソードも交えながら、図鑑形式で18のアイテムを紹介する。

またラリックの没後80年を記念して、彼が活躍した20世紀初頭のシルエットのドレスを復元制作。展示のハイライトとして、ドレスにラリック作品の着装を初めて行い、ファッションにおけるラリックのリアリティーに迫る。図鑑をめくるように、アール・ヌーヴォーのファッションの世界を学びながら堪能できる機会となりそうだ。

ドレス着用アイテム:飾り襟《アザミ》 1905-1906頃、ブローチ《小葉の輪》 制作年不詳、ベルトバックル《麦の穂》 1900頃、ハンドバッグ《フジとクワガタソウ》 1901-1903頃

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