プラダ 青山にて、ミランダ・ジュライの東京初個展「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」が行われる。会期は5月9日〜8月26日。企画はプラダ財団、キュレーターはミア・ロックス。
ミランダ・ジュライは映画監督、アーティスト、作家。カリフォルニア州バークレーで育ち、現在はロサンゼルス在住。『ザ・フューチャー』、『君とボクの虹色の世界』(カンヌ国際映画祭カメラ・ドール賞とサンダンス映画祭審査員特別賞受賞)といった映画作品の脚本、監督、主演を務める。アート作品は、ウェブサイト《Learning to Love You More》(ハレル・フレッチャー共作)、《Eleven Heavy Things》(2009年ヴェネチア・ビエンナーレのために制作されたスカルプチャー・ガーデン)、《Somebody》(ミュウミュウと共同制作したメッセージアプリ)など。ジュライの小説は23ヶ国で出版され、最新刊『All Fours』は2024年5月にRiverhead Booksから発売予定。
建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したことでも知られるプラダ 青山店の6階が会場となる本展は、ジュライの最新作であるマルチチャンネルビデオインスタレーション《F.A.M.I.L.Y.(Falling Apart Meanwhile I Love You)》を展示する。Instagramを通じて行われた7人の見知らぬ相手との1年にわたるコラボレーションからなる本作では、参加者はジュライからの一連のプロンプト(指示や質問)に対するリアクション動画を送信し、それをジュライがSNSコンテンツ向け無料編集アプリの切り取りツールを使って作品化。ジュライと参加者がまったく新しい身体言語を通じて親密さと境界線を模索するシュールなパフォーマンスのシリーズを見ることができる。
本作についてジュライは「愛でられることで元気になるという、Instagramが叶えてくれることのひとつと私が考えていることを人の力で達成しようとしています」とコメントを寄せる。いっぽうキュレーターのロックスは、「これはジュライが好む活動形態です。彼女が交流を開始し、一定程度までコントロールしますが、同時にそのなかで他人の欲求や行為も歓迎します。彼女は遊び心あるかたちで、力とコントロールの共有を実験しているのです」と解説する。ロックスは10月14日までミラノのプラダ財団「Osservatorio」にて公開中のジュライの美術館初個展「Miranda July: New Society」もキュレーションしている。
7月17日にはプラダ 青山店にて、ミランダ・ジュライとキュレーターのミア・ロックスの公開対談も開催予定。また、ミラノ展・東京展ともに、プラダ財団が出版する図版も販売。ミランダ・ジュライとシンディ・シャーマンの対談に加え、本展キュレーターのミア・ロックスによるエッセイも収録されるという。