4月6日、東京・丸の内に三菱一号館美術館がオープンした。
現在、開館記念展の第一弾として「マネとモダン・パリ」展が7月25日まで開催されている。
「三菱一号館」は、1894年に英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計され、三菱が建設した建造物。1968年に解体されたのだが、今回当時の設計に基づいて復元したものが「三菱一号館美術館」だ。
40年あまりを経て復元された建造物は、当時の一部の部材を再利用したり、製造方法や技術も再現されているという。
開館にあたって美術館館長の高橋明也氏があいさつ。自身もマネのファンで、個人所蔵する史料も展示されているという。
3階建てのこの美術館は、復元した暖炉など内装も特徴的だ。さほどそれぞれのフロアの天井高が高いわけでもないが、いくつもの小部屋が別れている特徴的な構造になっている。今回の回顧展のように時系列を追っていく展示では奏功したと言えるかもしれない。
今回の音声ガイドは、ギタリストの村治佳織さんがゲストナビゲーターを務めており、自身のパリやスペインでの滞在時のエピソードと絡めた作品解説が聞ける。
まさにビルの谷間に位置する美術館だが、オフィス街のど真ん中の美術館での鑑賞は、周囲の喧騒とのギャップでとても心地よかった。二層吹き抜けの空間が魅力的な美術館内のカフェ「Café 1894」は開館時間内だけではなく、夜もレストランとしてオープンしていて活用できそうだ。およそ23万人が働く街の美術館、これからの展覧会に注目したい。