東京都美術館で4月27日からスタートする「マティス展」。ポンピドゥーセンター所蔵の名品約150点が並び、「“フォーヴィスム”の夜明け」と称されるマティス初期の傑作《豪奢、静寂、逸楽》も日本初公開となるなど、注目度の高い展覧会だが、新たな見どころ情報が公開された。
マティスが最晩年に自身の集大成として手がけ、最高傑作の一つともいわれる南仏・ヴァンスのロザリオ礼拝堂。その内部を4Kの高精細映像で捉えた特別映像が、展覧会内で上映される。
同礼拝堂については、アーティストであり著述家でもある岡﨑乾二郎が自著『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー、2014年)でも一章を割いて論じるなど、絵画や建築などにかかわる作り手にとっても重要な作品として知られる。
マティスが生涯にわたり探求してきた技法を駆使して創出された、色と光にあふれた空間。ある冬の日の1日の、礼拝堂内の光の移ろいを5メートルに及ぶ巨大スクリーンで観る機会は稀。展覧会に足を運んだら、必ずチェックしたい特別な企画だ。