ウクライナ外務省は日本時間2月28日、ロシアの侵攻によって、ウクライナを代表する芸術家マリア・プリマチェンコの作品が焼失したと発表した。キーウ(キエフ)州にあるイバンキフ歴史郷土史博物館(Ivankiv Historical and Local History Museum)が火事になり、収蔵されていた約25点が燃えたという。
マリア・プリマチェンコ(1908〜1997)はイバンキフで農家の家に生まれた。絵画のほか刺繍作品や陶磁器の絵付けなどを手がけ、ウクライナの生活に根付く民話やお伽噺をもとにした動物などのモチーフや装飾を描いた。1966年にはウクライナの権威ある賞であるタラス・シェフチェンコ国立賞を受賞するなど、ナイーヴ・アート(素朴派)の作家として国内外で評価を受けている。
ウクライナのオレクサンドル・トカチェンコ文化情報政策大臣は、ユネスコに対しロシアの加盟国の権利剥奪と、2022年の夏にロシアのカザンで開催される第45回世界遺産委員会の開催地変更を要請したと発表した。