公開日:2025年1月29日

ルーヴル美術館に《モナ・リザ》の特別展示室を新設へ。マクロン大統領が大規模な改修計画を発表

建物の老朽化や来場者の過密状態に対応するための計画案を明らかに。新たなエントランスの設置や入場料の値上げも

ルーヴル美術館 外観 By Benh LIEU SONG (Flickr) - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10213567

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、1月28日にフランス・パリのルーヴル美術館を訪れ、同美術館の改修計画を発表した。

世界最大の来館者数を誇るルーヴル美術館。昨年は870万人が訪れたが、これは1980年代からの拡張工事時に想定されていた来館者数の2倍以上となり、来館者の混雑や建物の老朽化などの問題が指摘されていた。現地メディアの報道によると「New Renaissance」と銘打ちマクロン大統領が発表した改修計画には、レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》のための新たな展示室の設置や、美術館の新たな入り口の建設などが盛り込まれている。

この計画では、現在美術館でもっとも広い展示室に展示されている《モナ・リザ》は新たに作られる特別展示室に移され、このスペースに入るには別途チケットが必要になるという。また美術館の象徴でもあるピラミッドのメインエントランスの混雑緩和のため、美術館東側に新たな入場口を設置。デザインコンペを行い、2031年までに改修を行う計画だ。さらに今後10年間で美術館全体の改修や拡張を行う。

改修に関わる費用は明らかにされていないが数億ユーロと見られている。マクロン大統領は、来年からEU圏外からの来館者の入場料を値上げするなどして、費用の一部を賄う考えを示した。

これに先立ち、同館館長のロランス・デカールがフランス文化大臣ラシダ・ダティに宛て、美術館改修の必要性を訴える文書を送っていたことが地元メディアによって報道されていた。文書のなかでデカールは、建物の老朽化や来場者の過密状態などにより美術品保存が危険に晒されていると述べていた。

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