スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンさんが、3月11日に病気のためストックホルム近郊で亡くなった。享年92。
ラーソンさんは、1931年スウェーデンのハルルンダ生まれ。ヨーテボリ大学芸術学部デザイン工芸で陶芸プログラムを学び、アート・コンテストにおいて、審査員のひとりだったStig Lindberg(スティグ・リンドベリ)に見いだされ、北欧地域を代表する陶磁器メーカーであるGustavsberg(グスタフスベリ)社に入社。在籍中の26年間に320種類の作品を生み出し、スウェーデンを代表する陶芸デザイナーとして一躍人気を集めた。
陶芸はラーソンさんのライフワーク。フリーランスのデザイナーとして独立後も、グスタフスベリに在籍した経験から量産を前提とした作品を作るいっぽう、まったく自由な発想からユニークピース(一点物)の作品も多く制作した。丸みを帯びた、どこかユーモアのあるコケティッシュな動物や、素朴で温かみのある表情豊かなフィギュアは、本国スウェーデンや日本のみならず、世界中で多くのファンを魅了し続けている。
人気キャラクターである「マイキー」は、娘であるヨハンナ・ラーソンさんとの共作である絵本「BABY NUMBER BOOK」から誕生。陶芸作家としてのラーソンさんが新たな領域に進出する契機となった。