三鷹の森ジブリ美術館で、企画展示「君たちはどう生きるか展」が開催されている。本展では、宮﨑駿監督作品『君たちはどう生きるか』の制作過程で描かれた絵をそのまま展示し、紙と鉛筆による手描きの表現の豊かさと、カットにこめられた力と思いを感じられる展示となっている。
第一部イメージボード編(会期:11月18日〜5月12日)
に引き続き、5月25日からは、第二部レイアウト編が開催中だ。
第二部レイアウト編では、アニメーションの設計図であるレイアウトを約200点展示。レイアウトとは、そのカットの背景やキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークなどが書き込まれた、アニメーションの設計図。『君たちはどう生きるか』では、原画担当のアニメーターによって描かれ、宮﨑監督と作画監督が確認・修正を行った。
『君たちはどう生きるか』のカット数は1250ほど。プレス発表会で宮崎吾朗(株式会社スタジオジブリ常務取締役)は、「本展に集まっているレイアウトはほんの一部。絵を描くということは楽しいだけじゃなく大変なんだというのを見てほしい」と語る。また、「レイアウトは現場の苦悶の始まり」とも表現し、会場の笑いを誘った。
アニメ制作の現場でデジタル化が進む現在、スタジオジブリのようにすべて手描きでレイアウトを描くことは稀だという。宮﨑駿監督をはじめとする腕扱きのアニメーターによって描かれたレイアウトの完成度は、「手描き」アニメーションの粋とも言えるだろう。 その魅力を、ジブリ美術館で楽しみたい。
「君たちはどう生きるか」展 第二部 レイアウト編
企画・監修: 宮崎吾朗
レイアウト編:5月25日~11月10日(予定)
主催:(公財)徳間記念アニメーション文化財団
協賛:日清製粉グループ、ローソンエンタテインメント、日本テレビ
特別協力: スタジオジブリ
チケット:日時指定の予約制