公開日:2022年9月2日

旅のしづらい時代だから、旅について考えてみる。「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」が東京都庭園美術館で9月23日から

さわひらき、相川勝、宮永愛子、福田尚代、栗田宏一、evalaが出品

さわひらき dwelling 2002 ©️ Hiraki Sawa

誰かの旅を、あなたの旅に

新型コロナウィルスが猛威を振るったこの約2年半、移動の自由が制限され、世界中の人々が旅をあきらめてきた。欧米圏を中心に大きな移動が再開されつつあるタイミングで「旅」を考える展覧会「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」が開催される。会期は2022年9月23日から11月27日。会場は、旧朝香宮邸として知られる東京都庭園美術館にて。

同展は「旅とは何か?」という問いの行方を、アーティストや過去の人物ら他者の旅を手がかりに、再考するための、旅のアンソロジーであるという。イントロダクションになるのは、庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻による100年前の欧州旅行。その旅の風景が美術工芸品と資料を通して描き出される。

欧州滞在中の両殿下(朝香宮渡欧アルバムより) 大正14年頃 公益財団法人鍋島報效会所蔵
朝香宮旧蔵絵葉書 東京都庭園美術館蔵

その後には、とある個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅、そしてさわひらき相川勝宮永愛子福田尚代栗田宏一evalaら、現代のアーティストたちによる旧朝香宮邸をめぐる作品を建築空間を生かしたインスタレーションが続く。旅に潜む物語は旅人の経験ではなく、それを二次的に受け取る鑑賞者の経験とも共有され、また別の旅のかたちとなって結ばれる。展覧会を通して、新しい旅の可能性を感じてみよう。

相川勝 シドニーオペラハウス、オーストラリア/<ポストカード>より 2013
宮永愛子 suitcase -key- 2019 高松市美術館「宮永愛子:漕法」展示風景 撮影:木奥恵三 ©️ MIYANAGA Aiko, Courtesy of Mizuma Art Gallery
福田尚代  翼あるもの『青い鳥物語』 2022 ©️ Naoyo Fukuda. Courtesy of Yukiko Koide Presents

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