イスラエルのアーティスト、ルース・パティアが第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展でのナショナル・パビリオンの展示オープンを拒否し、イスラエルとハマスの間で「停戦と人質解放の合意」が達成されるまで展示を開催しないと発表した。イスラエル館の窓にはステートメントが貼り出されている。
イスラエル館のアーティストとキュレーターは、停戦と人質解放の合意が達成されたときに展覧会を開く(ステートメントより)
パティアとイスラエル館の担当キュレーター、タマール・マルガリットとミラ・ラピドットは、パビリオンを開かないという決定をイスラエル政府に事前に知らせていないと述べている。「(M)otherland」と名づけられたイスラエル館の展示ではコンピューター生成のイメージを使用した数点の新作が展示される予定で、そのうちのひとつはまだ窓から見ることができる。
ヴェネチア・ビエンナーレではパレスチナは過去にナショナル・パビリオンを設置したことがないが、2022年にはパレスチナミュージアムUSが公式の関連イベントを主催した。サンパウロ美術館の芸術監督アドリアーノ・ペドロサによってキュレーションされる2024年のビエンナーレのメイン展示では、331人の中に、ダナ・アワルタニとサミア・ハラビを含むふたりのパレスチナ人アーティストが参加する。
また、過去には2003年のビエンナーレのキューレーターを務めたフランチェスコ・ボナミはその年のフェスティバルにパレスチナ・パビリオンの展示を提案。しかし、反ユダヤ主義だと批判を受けて、パレスチナ・パビリオンの展示は行われなかった。ただし、ボナミはメインの展示にアーティストカップルであるパレスチナ人のサンディ・ヒラールとイタリア人のアレッサンドロ・ペッティによる作品を含めた。
また、3月17日に行われたビエンナーレのプレビューでは、パレスチナにおけるジェノサイドに反対する抗議活動が行われた。イスラエル館の前方で抗議活動グループはシュプレヒコールを上げ、ビラを配布し、その後会場内を行進した。