東京近郊の神奈川県横浜市の住宅街、青葉区美しが丘二・三丁目。
この街を舞台に、11月3日まで『AOBA+ART2009』が開催されています。
最寄り駅の東急田園都市線「たまプラーザ駅」から、徒歩10分。
爽やかな秋空のもと、閑静な住宅街に入ると、そこからは至るところで、アート作品との意外な出会いが始まります。
「地域の人々とともにアートを通じてこの街とこの街に住む人々の魅力を伝えること」をコンセプトに、2008年からスタートした現代美術展『AOBA+ART2009』。
今年も、この街を訪れた人だけが味わえる、”新鮮な感覚のアート”が待っています。
今回はディレクターの本間 純氏に、この街で開催するに至った思いなどを語っていただきました。
また取材当日には小粥丈晴氏による展示イベントがあり、小粥氏にも作品とともに『AOBA+ART2009』に参加された感想を伺いました。
住宅街でアートに出会う(本間 純氏)
高度経済成長期の昭和40年代、日本各地に新興住宅街がつくられていきました。横浜市青葉区には、海も歴史も大自然もありませんが、この時期にできたかつての新興住宅街が多くあり、AOBA+ARTの舞台となる「美しが丘」もそのひとつです。同じような新興住宅街で育った僕が、美術作家として作品を発表し始めた時は、このような日常空間が作品の発表の場になるとは考えもしませんでした。
しかし、アートが美術館やギャラリーを飛び出して、さまざまなパブリックな場で目にすることが当たり前になった今、住宅街という極めてプライベートな場でもアートが新鮮に、また活発に機能し始めるのではないかと思っています。
住民の方々といろいろ相談をしながら、小さな説明会やワークショップを重ねていった昨年の『AOBA+ART 2008』を経て、徐々にアーティスト、住民、ボランティアのコミュニケーションの輪は広がっています。住宅街でアートをきっかけとして何ができるのか、どんな出来事が起こるのか、僕たちはそこにわくわくするような可能性を感じています。
そして、『AOBA+ART 2009』が今年も始まりました。
作品が、家の玄関先やガレージ、空き店舗、公園など、住宅街の様々な場所に隠れています。
それはきっと、ここでしか起こりえない出来事となるでしょう。
この街に、アートを探しに出かけてみませんか。