「インターネットヤミ市」とは、インターネットに関するものをリアルに売り買いするフリマイベントのこと。千房けん輔と赤岩やえによるアートユニット、エキソニモ(exonemo)の主宰する「100年前から続くインターネット上の秘密結社 - アイパス(IDPW)」が中心となり、2012年に始まった。
エキソニモが開発したiPhone用アプリがApp Storeの審査に落ち、それなら「(iPhone同士を)直接ケーブルでつないで売れば?」という冗談から端を発した同イベントでは、一部界隈で人気者のインターネットおじさんに「1日何かしてもらう権利」、開催当時ですら懐かしかったインターネットブラウザのマークやネット用語のタトゥーシール、Twitter経由で購入者にダジャレをつくって贈る、どらやきなど、それとなくネットカルチャーに関連していればOKの物や事が売買されていた。
2014年のオランダ・アムステルダム開催からは、IDPWが主宰しない各地独自のイベントとして拡張し、ベルリン、札幌、ブリュッセル、台中、ソウル、ニューヨークなど世界の全30都市へ広がっていった。
記録集である『A DECADE TO DOWNLOAD The Internet Yami-Ichi 2012-2021』は、大林財団「都市のヴィジョン」プロジェクトの助成を受けて制作。同イベントの活動をダウンロードしながら読む、というコンセプトのもと、じつに800ページ、3キログラムを誇る重量級の一冊となった。
販売方法もユニークで、高精細RGB印刷されたリミテッドエディションは100部限定で強気の4万円(税込)、4キログラムと重さも増して豪華だ。スタンダードCMYKプリントのスタンダード・ペーパーバック・エディションは70ドルで海外Amazonなどで購入可能。いっぽう、PDF版はフリーダウンロードで入手できていかにもインターネットヤミ市らしい。
膨大なインターネット史の片隅に燦然と輝くヤミ歴史に触れてみては?
『A DECADE TO DOWNLOAD The Internet Yami-Ichi 2012-2021』
公式サイト:A DECADE TO DOWNLOAD PROJECT
書籍販売:twelve books online store
First downloaded in Japan on April 15, 2022
Download button pressed by Yae Akaiwa(IDPW/exonemo)/Kensuke Sembo(IDPW/exonemo)
Coordinate:Tota Hasegawa
Edit:Moe Nishiyama
Design Concept+Design:Mariko Okazaki
Design:Kaito Kubo, Minami Wetli Tanaka
Cover logo :Shingo Ohno
Proofreading :Ayae Takise
Printed by Fujiwara Printing Co., Ltd.
Supported by The Obayashi foundation “Vision of the City”
© A DECADE TO DOWNLOAD PROJECT TEAM.